<新興国eye>前週のロシアRTS指数、利食い売りや原油安、通貨ルーブル安に反落=BRICs市況

新興国

2023/12/25 9:03

 前週(18-22日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の22日終値は前日比0.54%高の1057.58、前週比では15日終値比0.3%安と、反落した。

 週明け18日は指数が続伸。翌19日は小反落、20日は小反発した。21日は急反落。

 週前半は、ブレント原油先物が一時、1バレル当たり78ドル超に上昇したことが好感され、買いが優勢となった。原油高はイエメンのイスラム武装組織フーシ派による紅海での貨物船襲撃が背景。個別銘柄ではイーコマース(電子商取引)最大手オゾンや、自動車大手ソラーズ(Sollers)が4輪駆動ピックアップトラックの新車販売開始を受け、株価が急騰、上げをけん引した。その後は、海外株安となったことを受け、ロシア市場でも売りが強まった。また、国営天然ガス大手ガスプロムが24年の設備投資を削減すると発表したことを受け、下落、下げを主導した。ただ、原油価格が79ドル超となったため、下値は限られた。

 週後半は、原油価格が80ドルの上値抵抗線を試す展開となり、買いが優勢となった。露3大製鉄所の一つであるマグニトグルスク鉄鋼が買われ、上げを主導。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まる中、原油価格が78ドルに後退したことが嫌気され、売りが広がった。原油価格の下落は米週間石油統計で原油供給が増加したことが背景。

 週末22日は小反発。原油価格が持ち直し、80ドルを試す展開となり、買いが優勢となった。金融大手ズベルバンク(ロシア連邦貯蓄銀行)が上昇、上げをけん引。同行のヘルマン・グレフCEO(最高経営責任者)がテレビ番組で、23年度決算の配当が過去最高となる見通しを示したことが背景。

 今週(25-29日)のロシア市場は、引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の動向、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える28日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や29日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は27日の11月失業率と11月鉱工業生産、11月小売売上高、29日の12月CPI(消費者物価指数)と7-9月期GDP伸び率、ロシア12月製造業・サービス業PMI(購買担当者景気指数)など。指数は1050-1150のレンジでの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ