(再送)米10月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前月比0.2%上昇―過去最高値を更新

経済

2023/12/27 8:41

<チェックポイント>

●20都市圏の前年比は4.9%上昇も市場予想下回る

●デトロイト、サンディエゴなどが高い伸び、ポートランドは低下

●市場、住宅ローン金利低下で24年は価格低下の可能性

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が26日に発表した10月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比0.2%上昇の312.95と9カ月連続で上昇し、過去最高を更新した。ただ、伸び率は9月の0.3%上昇から鈍化した。季節要因を無視できる前年比は4.8%上昇と4カ月連続で前年水準を上回った。

 また、市場が最も重視している主要20都市圏の価格指数(季節調整前)も前月比0.1%上昇の319と9カ月連続で上昇し、過去最高値を更新したが、伸び率は9月の0.2%上昇から鈍化。前年比は4.9%上昇と4カ月連続で上昇し、伸び率は9月の3.9%上昇から加速したが、市場予想の平均値である5%上昇を下回った。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)も前月比0.2%上昇の333.71と9カ月連続で上昇し、過去最高を更新したが、伸び率は9月の0.3%上昇から鈍化した。

 都市別の前年比は、南東部が強く、デトロイトが8.1%上昇と、最も高い伸びとなった。次いで、サンディエゴが7.2%上昇、ニューヨークが7.1%上昇、シカゴが6.9%上昇、マイアミが6.7%上昇、ボストンが6.6%上昇、クリーブランド6.4%上昇、ロサンゼルスは6.1%上昇、アトランタは5.3%上昇と、高い伸びとなった。

 対照的に、太平洋沿岸や西部、南西部が弱く、ポートランドは0.6%低下と、最も低い伸びとなった。次いで、ラスベガスが0.1%上昇、フェニックスが0.9%上昇、ダラスが1.2%上昇、デンバーは1.6%上昇となった。マイナス(低下)となったのは20都市中1都市(前月は3都市)で、住宅価格は9月から上昇傾向に戻っている。

 既存の住宅所有者は3-4%の低い住宅ローン金利で購入しているため、住宅ローン金利の高止まりで転居するのをためらっており、深刻な供給不足の背景になっている。市場ではこの状況は11月以降の当面、変わらないと見ている。

 一方、住宅ローン金利が低下しており、FRB(米連邦準備制度理事会)による金融政策が緩和的になればさらに低下すると予想されることから、金利が低下すれば、多くの住宅所有者が持ち家を売り出し、24年には住宅価格の低下につながるとの見方もある。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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