<新興国eye>トルコ12月経済信頼感指数、サービス・小売りが改善、建設は悪化―設備稼働率は低下

新興国

2023/12/28 8:52

 トルコ統計局が26日発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す12月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)はサービス業の全体指数が前月比1.2%上昇の112.3と、前月(11月)の同2.4%低下から上昇(改善)に転じ、10月(113.6)以来、2カ月ぶりの高水準に回復した。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比横ばい(前月は4.0%低下)の110.0となり、低下(悪化)が4カ月連続で止まった。過去3カ月間の需要(遅行指数)は同3.8%上昇(同4.6%低下)の112.1と、改善に転じた。対照的に、今後3カ月間の需要見通し(先行指数)は同0.1%低下(同1.6%上昇)の114.7と、3カ月ぶりに悪化した。

 小売業も前月比4.5%上昇(前月は1.9%低下)の116.8と、3カ月ぶりに改善、9月(117.7)以来、3カ月ぶりの高水準に回復した。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は前月比9.9%上昇(前月は3.3%低下)の127.9と、5カ月ぶりに改善、今後3カ月間の販売見通しも同3.7%上昇(同2.1%低下)の127.9と、3カ月ぶりに改善した。商品在庫は同0.9%低下(同横ばい)の94.6と、在庫過剰感は依然高い。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 対照的に、建設業は前月比3.3%低下(前月は2.2%上昇)の88と、4カ月ぶりに悪化、8月(87.4)以来の低水準となった。サブ指数の受注残は前月比5.4%低下(前月は1.7%上昇)の79と、3カ月ぶりに悪化。今後3カ月間の雇用見通しも同1.5%低下(同2.6%上昇)の97.1と、4カ月ぶりに悪化した。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した12月の製造業設備稼働率(季節調整前)は77.5%と、前月(11月)の78.0%から0.5ポイント低下。ただ、依然、コロナ禍前の20年1月の75.5%を上回っている。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいた。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の77.4%(前月は78.9%)だったが、前月を大幅に下回った。次いで中間財の76.5%(同76.7%)、非耐久財の74.4%(同74.8%)、消費財の74.0%(同74.6%)、耐久財の72.3%(同73.4%)で、いずれも前月を下回った。

 他方、季節調整後(SA)の製造業設備稼働率は12月が77.3%と、前月(77.5%)を下回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

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