<新興国eye>トルコ12月CPI、前年比64.8%上昇に加速―前月比は2.9%上昇に減速(1)

新興国

2024/1/5 8:57

 トルコ統計局が3日発表した23年12月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比64.77%上昇と、前月(11月)の同61.98%上昇を上回り、2カ月連続で伸びが加速、22年11月(84.39%上昇)以来、約2年ぶりの高い伸びとなった。ただ、市場予想(65%上昇)をやや下回った。

 同国のインフレ率はウクライナ戦争の勃発(22年2月24日)と、それに伴う西側の対ロ経済制裁により、エネルギー価格の高騰と、中銀の利下げに伴う通貨トルコリラの急落が加わり、21年6月(前年比17.53%上昇)から22年10月(同85.51%上昇)まで17カ月連続で急加速した。翌11月(同84.39%上昇)から23年6月まで減速したが、最近は再加速傾向にある。7ー9月は加速、10月は減速したものの、11月以降、2カ月連続で加速している。

 ただ、前月比(全体指数)は2.93%上昇と、11月の3.28%上昇や10月の3.43%上昇を下回り、5カ月連続で減速した。夏の通貨トルコリラ急落と増税の影響が剥離したことが減速の背景。依然、5月(0.04%上昇)以来、7カ月ぶりの低い伸びで、市場ではインフレ鈍化の兆しが出てきたと見ている。

 セクター別(前月比)では、レクリエーション・文化は5.3%上昇(前月は2.06%上昇)と、最も高い伸びとなった。次いで、天然ガス料金を含む住宅(光熱費や修理費)が4.97%上昇(同11.17%上昇)。寒冷な気候を受け、特に、天然ガスの消費量が急増したことが背景。食品・清涼飲料水は4.81%上昇(同2.78%上昇)、ヘルス(薬局・美容)は4.44%上昇(同1.48%上昇)、家具・生活用品が3.65%上昇(同2.31%上昇)、通信は3.07%上昇(同3.43%上昇)となり、全体の伸び(2.93%上昇)を上回った。

 このほか、ホテル・カフェ・レストランは2.81%上昇(同2.51%上昇)、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスは1.89%上昇(同2.26%上昇)、教育は0.51%上昇(同0.62%上昇)、アルコール飲料・たばこが0.01%上昇(同9.16%上昇)。対照的に、アパレル・靴は1.33%低下(前月は0.31%低下)と、最も低い伸びとなった。次いで、運輸が0.14%低下(同0.21%上昇)だった。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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