米12月雇用統計、非農業部門雇用者数は21.6万人増―市場予想上回る

経済

2024/1/9 8:02

<チェックポイント>

●23年全体では280万人増、月平均は22.5万人増

●失業率は市場予想下回る、平均時給も強い伸び維持

●米経済のソフトランディング期待高まる

 米労働省が5日に発表した23年の12月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比21万6000人増となり、市場予想の平均値である17万5000人増を上回った。

 過去分については、11月が19万9000人増から17万3000人増、10月が15.0万人増から10.5万人増に下方改定され、3カ月間(10-12月)の月平均の雇用者数は16万5000人増と、11月時点の18万人増から減速している。23年全体では270万人増(月平均22.5万人増)となり、22年の480万人増を大きく下回った。

 失業率は3.7%(11月も3.7%)となり、市場予想の3.8%を下回った。平均時給は前月比が0.4%増の34.27ドルと、市場予想の0.3%増を上回り、前年比も4.1%増と、市場予想の3.9%増を上回った。一方、労働時間は34.3時間(11月は34.4時間)だった。労働需要が弱まると勤務時間が短くなる傾向にある。

 セクター別では、製造業が前月比6000人増(11月は2万6000人増)に減速。11月にストの影響がなくなって大きく増加した自動車・同部品製造業が2100人減となっている。他方、金利動向の影響を受けやすい建設業は最近の金利低下を受けて同1万7000人増(11月は6000人増)に加速した。

 サービス業は前月比14万2000人増(11月は10万6000人増)だった。このうち、小売業が1万7400人増(11月は2万2400人減)と好調だった。また、レジャー・接客業は前月比4万人増(11月は1万2000人増)から急加速している。専門・ビジネスサービス業も同1万3000人増(11月は1万9000人減)と好転した。成長産業である医療分野のヘルスケアが同5万8900人増(11月は9万6000人増)と高い伸び。ただ、人材派遣サービス(パートタイム)は3万3300人減(11月の同2万2100人減)となった。パートタイム雇用はフル雇用が見つからないか、労働時間が短縮されたことが要因となっている。

 部門別では、民間部門が前月比16万4000人増となり、9月(19万9000人増)以来の高い伸びとなった。政府部門は同5万2000人増と、10月(6万1000人増)以来の高い伸びとなった。

 市場は、雇用統計の結果を受けて1月31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利が据え置かれるとの見方が強まった。一方、FRB(米連邦準備制度理事会)によるこれまでの利上げにも、失業率が改善傾向にあることや雇用者数の伸びが強いことから、米経済はソフトランディング(緩やかな調整)の可能性が高いと見ている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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