香港前場:ハンセン0.3%高で6日ぶり反発、上海総合も0.3%上昇

サーチナ

中国株

2024/1/9 13:48

 9日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比51.39ポイント(0.32%)高の16275.84ポイントと6日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が2.39ポイント(0.04%)高の5483.21ポイントと3日ぶりにそれぞれ反発した。売買代金は407億3720万香港ドルに低迷している(8日前場は479億660万香港ドル)。

 米長期金利の低下が相場を支える流れ。米インフレ鈍化が期待される中、昨夜の米債券市場では、上昇が続いていた米10年債利回りが低下に転じている。中国の金融緩和期待も追い風。複数メディアが9日報じたところによれば、中国人民銀行(中央銀行)貨幣政策司の鄒瀾・司長はこのほど、「公開市場操作や中期貸出制度(MLF)、預金準備率などの金融政策ツールを用いて、与信の合理的な伸びを支援する」と述べた。中国10年債利回りの低下基調が強まっていることも、緩和観測を後押ししている。ただ、上値は重い。中国不動産デベロッパーや影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題、景況感悪化などが依然として不安視されている。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が5.3%高、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が5.0%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が4.8%高と上げが目立った。

 セクター別では、医薬が高い。緑葉製薬集団(2186/HK)が6.4%、百済神州(6160/HK)が5.0%、中国生物製薬(1177/HK)が3.1%、翰森製薬集団(3692/HK)が2.7%高ずつ上昇した。

 空運セクターもしっかり。中国3大エアラインの中国南方航空(1055/HK)が2.6%高、中国東方航空(670/HK)が1.8%高、中国国際航空(753/HK)が1.1%高、空港運営・管理の北京首都国際機場(694/HK)が3.8%高で前場取引を終えた。旅客増が期待される。中国では今月26日、春節(旧正月)前後の特別輸送態勢「春運」期間がスタート。中国民用航空局の予測によると、3月5日までの「春運」40日間で、航空旅客数は延べ8000万人に達する見通しだ(1日当たり200万人に拡大し、過去最多を更新する見込み)。

 半面、海運セクターは安い。東方海外(316/HK)が8.0%、海豊国際HD(1308/HK)が5.1%、太平洋航運集団(2343/HK)が4.0%、中遠海運HD(1919/HK)が3.5%ずつ下落した。

 「ニューエコノミー」関連銘柄の一角もさえない。ハンセン科技(テック)指数は0.2%逆行安した。個別では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が3.2%安、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が3.0%安と値を下げた。京東集団については、傘下企業の一部業務に会計上の疑念が浮上したこともマイナス。京東集団は8日、即時配送サービスを手がける傘下の達達集団(DADA/NASDAQ)について、定期的な内部監査の過程で、一部事業の会計を巡る疑わしい行為が発覚したと報告した。この発表を受け、8日のナスダック市場では達達のADRが急落。前日比45.87%安の1.70米ドルで取引を終えた。

 一方、本土マーケットは4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.34%高の2897.37ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。自動車株、インフラ関連株、医薬株、エネルギー株、素材株、半導体株、運輸株なども買われた。半面、銀行株は安い。証券株、メディア・娯楽株、酒造株も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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