【為替本日の注目点】12月の東京都区部のCPIは2.1%に鈍化
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は東京時間での取引水準から切り上がり、144円63銭までドル高に。東京都区部のCPIが順調に低下していたことも円売り材料に。ユーロドルは引き続き1.09台でのもみ合いが続く。株式市場はまちまち。ダウとS&P500は下げたが、ナスダックは小幅高。債券は小幅に買われ、長期金利は4.01%台に低下。金は小幅ながら3日続落。原油は前日の大幅安の反動から反発。
11月貿易収支 → -63.2b
マーケット情報
ドル/円 143.67 ~ 144.63
ユーロ/ドル 1.0911 ~ 1.0951
ユーロ/円 157.20 ~ 158.00
NYダウ -157.85 → 37,525.16ドル
GOLD -0.50 → 2,033.00ドル
WTI +1.47 → 72.24ドル
米10年国債 -0.017 → 4.013%
本日の注目イベント
豪 豪11月消費者物価指数
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
米 米大統領選共和党候補の討論会
昨日の東京時間午前中には143円台半ばまで売られたドル円でしたが、NYでは144円台を回復し、144円63銭までドル高が進むなど、引き続き明確な方向感が出にくい展開になっています。明日の米12月の消費者物価指数(CPI)を確認したいとの雰囲気もあり、米国のインフレ率が低下傾向にあるものの、この先金融当局が目標とする2%までインフレが低下するのかどうか、データを見極める慎重な動きにもなっています。FOMCメンバーも、概ね慎重姿勢を維持していますが、FRBの上層部ではやや楽観論も出始めている状況です。
世界銀行は9日、世界経済の成長見通しを公表しました。「世界経済は過去数十年前よりも低い成長率で足取り鈍く進んでいる。高金利や貿易の低迷、地政学的な緊張によって新型コロナウイルス禍後の回復が圧迫されており、発展途上国が最も大きな打撃を受ける」との見解を示しています。世銀は、途上国の4カ国中1カ国がコロナ禍前よりも貧しい状態に陥る「悲惨な節目」になると分析しています。その上で、2024年の世界成長については「2.4%」と、昨年の「2.6%」を下回り3年連続で減速すると予想しています。国別では米国「1.6%」(昨年は2.5%)、ユーロ圏「0.7%」(昨年は0.4%)、日本「0.9%」(昨年は1.8%)と予想し、先進国全体では「1.2%」成長との予想を発表しました。また景気後退が見られる中国は「4.5%」(昨年は5.2%)、さらに成長が期待されるインドについては「6.4%」(昨年は6.3%)と、相対的に高い成長が続くと予想されています。世銀のチーフエコノミストは声明で、「大きな軌道修正がなければ、2020年代は機会を無駄にした10年間となるだろう。こうした短期的な成長の低迷により、最貧国の多くは『身がすくむような水準に債務を抱え』、ほぼ3人に1人は食料へのアクセスが危うくなる」と述べています。
総務省が発表した12月の東京都区部のコアCPIは「2.1%」(前年同月比)と、プラス幅が2カ月連続で縮小していました。またコアコアCPIでは「3.5%」と、こちらは4カ月連続で縮小しており、欧米と同様に日本でもインフレはピークを過ぎ鈍化傾向が鮮明になってきました。同指数は全国のCPIの先行指標と位置付けられており、来週発表される12月の全国CPIも減速していると見られます。一方、総務省が同時に発表した2023年度の同地区のコアCPIは前年同月比で「3.0%」上昇しており、伸びは第二次オイルショック後の1982年以来、実に41年ぶりの高水準となりました。
ウクライナとG7諸国、さらに少数の「グローバルサウス」諸国が先月16日、サウジアラビアのリヤドで秘密裏に会合を開き、ロシアと和平交渉を行う際のウクライナ側の条件について話合われたとブルームバーグが伝えています。各国がより安心して参加できるようにする狙いもあり秘密裏に行われたようですが、「ただ、会合で大きな進展はなかった」と、ブルームバーグは関係者の話として報じています。来月24日にはロシアによる侵攻後2年が経過しますが、ようやく「和平交渉」といった言葉が出始めて来ました。まだまだ合意のハードルは高く時間はかかりそうですが、進展することを願いたいと思います。
本日のドル円は143円50銭~145円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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