香港前場:ハンセン1.5%高で8日ぶり反発、上海総合は0.1%上昇

サーチナ

中国株

2024/1/11 13:49

 11日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比242.55ポイント(1.51%)高の16339.83ポイントと8日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が82.17ポイント(1.52%)高の5503.40ポイントと5日ぶりに反発した。売買代金は450億2400万香港ドルに拡大している(10日前場は383億460万香港ドル)。

 自律反発狙いの買いが先行する流れ。ハンセン指数はこのところ下落基調を強め、足元では約1年2か月ぶりの安値水準に落ち込んでいた。影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題を巡る警戒感もやや後退。先ごろ破産申請が受理された中国の民営ノンバンク系資産運用会社、中植企業集団有限公司を巡り、JPモルガン・チェースは最新リポートで、中国金融セクターにシステミック・リスクをもたらす恐れはないとの見解を示した。米中指標の発表を控え、朝方は上値の重い場面がみられたものの、指数は上げ幅を徐々に広げている。米国では今夜、12月の消費者物価指数(CPI)、中国ではあす12日に12月の物価統計と貿易統計が発表される予定だ。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が8.0%高、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が4.7%高、豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)が3.8%高と上げが目立った。薬明生物技術については、業績の改善期待が追い風となっている。同社は10日引け後、24年の新規プロジェクト目標数を80→110件に上方修正したと発表。新規プロジェクトによって、年間で約10億米ドル(約1450億円)の収入がもたらされると予測している。

 セクター別では、香港の不動産が高い。新世界発展(17/HK)が3.5%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が3.4%、恒隆地産(101/HK)が2.9%、長江実業集団(1113/HK)が1.9%ずつ上昇した。米利下げ期待が支援材料。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下も期待された。格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリストは10日、米連邦準備理事会(FRB)が年内に3回の利下げを実施する可能性が高いとの見方を示している。

 自動車セクターもしっかり。長城汽車(2333/HK)が3.9%高、比亜迪(1211/HK)と北京汽車(1958/HK)がそろって3.4%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.1%高で引けた。

 海上輸送やコンテナ生産・リースの海運セクターも物色される。中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.9%高、海豊国際HD(1308/HK)が2.2%高、東方海外(316/HK)が1.5%高、中国国際海運集装箱(2039/HK)が6.6%高、勝獅貨櫃(716/HK)が2.0%高で前場取引を終えた。

 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.10%高の2880.52ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が高い。医薬株、消費関連株、証券株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。素材株、不動産株、公益株も売られた。(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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