香港大引:ハンセン1.3%高で8日ぶり反発、薬明生物8.8%上昇

サーチナ

中国株

2024/1/11 18:07

 11日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比204.76ポイント(1.27%)高の16302.04ポイントと8日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が73.25ポイント(1.35%)高の5494.48ポイントと5日ぶりに反発した。売買代金は937億1680万香港ドルに拡大している(10日は745億1440万香港ドル)。

 自律反発狙いの買いが先行する流れ。ハンセン指数はこのところ下落基調を強め、足元では約1年2か月ぶりの安値水準に落ち込んでいた。影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題を巡る警戒感もやや後退。先ごろ破産申請が受理された中国の民営ノンバンク系資産運用会社、中植企業集団有限公司を巡り、JPモルガン・チェースは最新リポートで、中国金融セクターにシステミック・リスクをもたらす恐れはないとの見解を示した。米中指標の発表を控え、朝方は上値の重い場面がみられたものの、指数は上げ幅を徐々に広げている。米国では今夜、12月の消費者物価指数(CPI)、中国ではあす12日に12月の物価統計と貿易統計が発表される予定だ。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が8.8%高、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が6.7%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が5.4%高と上げが目立った。薬明生物技術については、業績の改善期待が追い風となっている。同社は10日引け後、24年の新規プロジェクト目標数を80→110件に上方修正したと発表。新規プロジェクトによって、年間で約10億米ドル(約1450億円)の収入がもたらされると予測している。

 セクター別では、香港と本土の不動産が高い。九龍倉置業地産投資(1997/HK)が3.8%、新世界発展(17/HK)が3.1%、長江実業集団(1113/HK)が2.0%、旭輝HD(884/HK)と合景泰富集団HD(1813/HK)がそろって4.1%、華南城HD(1668/HK)が3.8%ずつ上昇した。香港不動産に関しては、米利下げ期待が支援材料。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下も期待された。格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリストは10日、米連邦準備理事会(FRB)が年内に3回の利下げを実施する可能性が高いとの見方を示している。

 自動車セクターもしっかり。長城汽車(2333/HK)が5.1%高、理想汽車(2015/HK)が4.4%高、比亜迪(1211/HK)が3.8%高、広州汽車集団(2238/HK)が2.7%高で引けた。自動車販売の好調が伝わる。中国汽車工業協会(CAAM)は11日、2023年の新車国内販売が前年比12.0%増の3009万4000台に伸びたと発表した(過去最多を記録)。

 半面、石炭・石油セクターはさえない。中国神華能源(1088/HK)が3.0%、中国中煤能源(1898/HK)とエン鉱能源集団(1171/HK)がそろって2.5%、中国石油天然気(857/HK)が1.9%、中国海洋石油(883/HK)が1.0%ずつ下落した。

 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.31%高の2886.65ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。医薬株、消費関連株、素材株、運輸株、軍事関連株、保険・証券株なども買われた。半面、石油や石炭のエネルギー関連は安い。公益株、銀行株の一角も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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