【為替本日の注目点】米12月の総合CPIは3.4%

為替

サーチナ

2024/1/12 9:55

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 米12月のCPIが予想を上回ったことでドル円は急伸。146円41銭まで買われたがその後失速。ユーロドルは発表直後に1.10近辺まで買われたが、直ぐに下落に転じる。CPIの結果を受け株式市場は大きく売られたが、その後持ち直す。ダウは一時200ドルを超える下げを見せたがプラス圏で引ける。債券も一時売られ金利が上昇したが、結局4%を割り込み、3.96%台で引ける。金は5日続落。原油は反発。

新規失業保険申請件数 → 20.2万件

12月消費者物価指数 → 3.4%

12月財政収支 → -129.4b

マーケット情報

ドル/円 145.00 ~ 146.41

ユーロ/ドル 1.0930 ~ 1.1000

ユーロ/円 159.38 ~ 160.18

NYダウ +15.29 → 37,711.02ドル

GOLD -8.60 → 2,019.20ドル

WTI +0.65 → 72.02ドル

米10年国債 -0.062 → 3.966%

本日の注目イベント

日 11月国際収支・貿易収支

日 12月景気ウオッチャー調査

中 中国12月消費者物価指数

中 中国12月生産者物価指数

中 中国12月貿易収支

英 英11月鉱工業生産

米 12月生産者物価指数

米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

米 企業決算 → ブラックロック、バンクオブアメリカ、ウェルズファーゴ、JPモルガン、シティグループ

 注目された米12月の消費者物価指数(CPI)は、総合で「3.4%」、コア指数は「3.9%」(前年同月比)と、いずれも市場予想を上回っていました。予想を上回るインフレ率の上昇に、発表直後からドル買いが進みドル円は146円台に乗せ、一時は146円41銭まで買われました。ただその後、急上昇した米金利が低下したことでドル円は下げに転じ、145円前後まで売られるといった荒っぽい展開となり、結局発表前の水準に押し戻された格好です。

 CPIの上振れがドルの程よい売り場になったような動きでした。CPIの上振れで3月の利下げ観測は後退したものの、「FRBの利下げスタンスは変わらない」といった見方が債券、株式の買い戻しにつながりドルを押し下げた形になりました。項目別に見ると、食料品とサービス価格は横ばいでしたが、前月には「-2.3%」だったエネルギーは「0.4%」上昇しています。ブルームバーグは「12月のCPIが驚くほど強かったことは、金融当局の目標であるインフレ率2%への持続的回帰が一筋縄ではいかず、ラストワンマイルが困難であることを示す」と論評していました。筆者も何度か指摘したように、3%台から目標の2%までは「わずか1%」ではあるものの、これまで通り順調には低下しないと予想しています。

 12月のCPIの結果を受けリッチモンド連銀のバーキン総裁は、「私が探しているのはインフレが当局の目標に回帰するという確信だ」と述べています。バーキン氏は今年度のFOMCで投票権を持っていることから、3月の利下げの見通しを聞かれ、「FOMC会合前に、予断を与えたくない」と答えています。また、クリーブランド連銀のメスター総裁もCPI発表後に、「3月利下げは時期として恐らく早過ぎる」と語っています。

 一方前日、シュナーベル・ECB理事は「利下げを協議するには時期尚早だ」と早期の利下げ観測をけん制しましたが、昨日はラガルド総裁が真逆の発言を行いました。やはりECB理事会の中ではフランス、イタリアなど南欧諸国とドイツ、オランダなど伝統的にインフレに対する警戒感が強い国々とでは金融政策におけるスタンスにも差があるようです。ラガルド氏はフランス2のテレビインタビューで、「利下げの時期については言えない。それを言えるのは、われわれがこの闘いに勝利した場合や、当局の予想通り2025年に2%に戻る場合、および今後数カ月のデータでそれが確信される場合だ」と発言し、「こうした確実性があれば、金利が下がり始めるだろうと確信している」と述べ、インフレが2%の目標に向っている確信があれば、利下げを開始する用意があるとの認識を示しています。

 ドル円は146円台半ばから145円前後まで押し戻されて来ました。まだ、145-150円のレンジに入ったとは言えず、145円を挟んでのもみ合いと予想します。昨日の上昇も結局一目均衡表の雲(日足)に抵抗され、押し戻されたとも言えます。本日も生産者物価指数(PPI)の発表があり、そこそこの値動きはあろうかと思われます。予想レンジは144円30銭~145円80銭程度といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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