香港前場:ハンセン0.03%高で続伸、上海総合は0.01%上昇

サーチナ

中国株

2024/1/12 13:36

 12日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比5.06ポイント(0.03%)高の16307.10ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が82.17ポイント(1.52%)高の5503.40ポイントと小幅ながら続伸した。売買代金は405億1110万香港ドルとなっている(11日前場は450億2400万香港ドル)。

 中国景気の過度な鈍化懸念が薄らぐ流れ。取引時間中に公表された12月の中国貿易統計では、元建て輸出入の伸びが前月を大幅に上回った。中国の金融緩和に対する期待も根強い。中国人民銀行(中央銀行)の幹部は先ごろ、公開市場操作(オペ)や中期流動性ファシリティ(MLF)、預金準備率などの金融政策ツールを活用し、与信の合理的な増加を支援する方針を示している。ただ、上値は限定的。外部環境の不透明感が重しだ。12月の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に前月から上昇する中、早期の米利下げ期待が後退している。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の高止まりも警戒された。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が3.4%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.9%高、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が2.8%高と上げが目立った。

 セクター別では、海運が高い。上記した東方海外のほか、海豊国際HD(1308/HK)が3.3%、中遠海運HD(1919/HK)と中遠海運能源運輸(1138/HK)がそろって2.8%ずつ上昇した。

 非鉄やセメントなど素材セクターもしっかり。中国アルミ(2600/HK)が3.2%高、江西銅業(358/HK)が2.6%高、中国建材(3323/HK)と安徽海螺水泥(914/HK)がそろって2.0%高で引けた。

 上下水道やごみ処理など環境インフラ関連も物色される。北控水務集団(371/HK)が3.1%高、中国水務集団(855/HK)と中国光大環境(257/HK)がそろって2.3%高、粤海投資(270/HK)が2.2%高で前場取引を終えた。政策の恩恵が期待される。中国当局は11日、「美しい中国建設の全面的推進に関する中国共産党中央・国務院の指導意見」を発表した。この意見では、生態環境の全面的改善などが提示されている。

 半面、香港に拠点を置く金融はさえない。中銀香港(2388/HK)とHSBC(5/HK)がそろって2.5%、スタンダード・チャータード(2888/HK)が2.4%、恒生銀行(11/HK)が1.8%ずつ下落した。

 一方、本土マーケットも小幅に続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.01%高の2886.87ポイントで前場の取引を終了した。銀行株が高い。運輸株、公益株、インフラ関連株、エネルギー株、不動産株なども買われた。半面、ハイテク株は安い。医薬株、消費関連株、メディア・娯楽株も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ