香港前場:ハンセン0.2%安で続落、上海総合は0.4%上昇

サーチナ

中国株

2024/1/15 13:43

 週明け15日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比25.03ポイント(0.15%)安の16219.55ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が34.91ポイント(0.64%)安の5447.03ポイントと続落した。売買代金は395億4800万香港ドルとなっている(12日前場は405億1110万香港ドル)。

 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国経済の先行き不安がくすぶっている。中国人民銀行(中央銀行)が12日発表した12月の金融統計では、人民元建て新規融資額が予想にとどかず、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びは前月水準を下回った。また、朝方公表された1月の中期貸出ファシリティ(MLF)金利は、低下予想に反し、前月と同水準に据え置かれている。ただ、ハンセン指数などはプラス圏で推移する場面もあった。金融統計の下振れなど、中国景気の鈍化懸念が強まる中、「中国政府は追加の経済対策を打ち出す」との期待も高まっている。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が10.1%安、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が4.3%安、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が3.1%安と下げが目立った。百度集団に関しては、米国の制裁措置が警戒されている。香港メディアは12日、百度が開発した生成AI(人工知能)サービス「文心一言(ERNIE Bot)」について、人民解放軍が利用を開始したもよう――などと報じた。百度集団や理想汽車など「ニューエコノミー」関連銘柄が急落し、ハンセン科技(テック)指数は1.8%安と他の指数をアンダーパフォームしている。

 セクター別では、自動車が安い。上記した理想汽車のほか、中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が9.1%、小鵬汽車(9868/HK)が7.9%、蔚来集団(9866/HK)が2.6%ずつ下落した。

 中国不動産セクターもさえない。中国奥園集団(3883/HK)が4.3%安、中国海外宏洋集団(81/HK)が4.0%安、建発国際投資集団(1908/HK)が3.7%安、旭輝(884/HK)が2.7%安で引けた。

 半面、海上輸送やエアラインの運輸関連は高い。中遠海運能源運輸(1138/HK)が8.3%、中遠海運HD(1919/HK)が2.9%、東方海外(316/HK)が1.8%、中国南方航空(1055/HK)が4.6%、中国国際航空(753/HK)が2.0%ずつ上昇した。海運については、運賃上昇の思惑が再燃している。イエメンの親イラン武装組織フーシ派がスエズ運河に通じる紅海で商船襲撃を繰り返す中、英米軍はフーシ派の拠点を空爆。海運大手は紅海(スエズ運河)の迂回を余儀なくされている。

 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.36%高の2892.28ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が高い。運輸株、公益株、不動産株、メディア・娯楽株、金融株、インフラ建設株、半導体株なども買われた。半面、素材株は安い。酒造株、軍事関連株も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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