米12月小売売上高、前月比0.6%増―前年比5.6%増でいずれも伸び加速

経済

2024/1/18 9:32

<チェックポイント>

●自動車とオンライン販売、アパレルが好調、全体を押し上げ

●ガソリン支出減少が自由裁量支出の拡大に寄与

●コア売上高は前月比0.8%増―10-12月期GDP押し上げへ

 米商務省が17日に発表した23年12月の小売売上高(季節・営業日調整後)は、前月比0.6%増の7098億9000万ドルと、市場予想(0.4%増)も上回り、23年9月(0.8%増)以来、3カ月ぶりの高い伸び。市場では歳末商戦期の12月の小売売上高の伸びが加速したことを受け、FRB(米連邦準備制度理事会)による過去11回の累積的な利上げにもかかわらず、消費者は依然、自由裁量の支出を維持していると見ている。

 ただ、市場では12月の強い数字にもかかわらず、24年の消費は長引くインフレ、過去の利上げサイクルの影響が景気とインフレに及んでくるまでのタイムラグ(時間差)、貯蓄の減少に直面するため、上昇の勢いは衰えると予想している。

 12月の小売売上高が増加したのはオンライン小売りが前月比1.5%増と、前月の同1.2%増からさらに伸びが加速、アパレルも同1.5%増(前月は1%増)と好調となったことや、月ごとに変動が大きい自動車が同1.1%増と、前月の同0.8%増を上回り、5月(1.7%増)以来7カ月ぶりの高い伸びとなったことが大きい。中古車とアパレルの増加要因の一部にはインフレを受けた値上げも含まれる。

 市場が景気のバロメーターとして注目していたレストラン・バーの外食は前月比横ばいとなり、前月の同1.7%増から減速した。月ごとに変動が大きいガソリン販売は価格低下とドライブ需要の後退により、同1.3%減と、前月の同3.4%減からさらに低下、3カ月連続で低下した。市場ではガソリン支出が抑制されたため、自由裁量の消費支出が増えたと見ている。全13業種のうち、9業種が前月比で増加した。

 このほか、百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売は前月比1.3%増(前月は0.2%減)。うち、百貨店はクリスマス商戦を受け、同3.0%増(同2.1%減)と、急回復した。どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスも同0.7%増(同0.3%減)、ホームセンターなどの建築資材・園芸は同0.4%増(同0.1%減)、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍は同0.3%増(同1.4%増)。対照的にヘルスケアは同1.4%減(同0.2%減)、家具・生活用品は同1.0%減(同2.4%増)。電器・家電は同0.3%減(同1.8%減)だった。

 全体で前年比は5.6%増と、前月の伸び(4%増)を上回り、1月の6.4%増をピークに接近。過去3カ月間(23年10-12月)の伸びは前3カ月(7-9月期)比で1%増、前年同期比3.9%増と、依然、消費は堅調さを維持している。NRF(全米小売業協会)は12月歳末商戦の売上高は前年比3-4%増になると予想していたが、それも上回った。

提供:ウエルスアドバイザー社

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