米12月中古住宅販売件数、前月比1%減の年率378万件―市場予想下回る

経済

2024/1/22 8:02

<チェックポイント>

●23年全体では約30年ぶり低水準―価格は最高値を記録

●住宅在庫は6月以来の低さ―依然深刻な在庫不足が販売を抑制

●NAR、「24年は増加の可能性」と楽観視

 NAR(全米不動産業協会)が19日に発表した23年12月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比1.0%減の年率換算378万件と減少に転じ、市場予想の平均値である383万件を下回った。

 また、季節要因を無視できる前年比は6.2%減と、29カ月連続の前年割れ。23年全体では前年比18.7%減の409万件と、1995年以来28年ぶりの低水準となった。

 住宅供給の過不足感を示す12月時点の未販売住宅(在庫)は前月比11.5%減の100万件と、2カ月連続の減少。一方、住宅の販売ペースは、販売物件が12月中に市場に残っていた期間が29日間となり、前月の25日間や1年前の26日間よりも長期化。12月中に販売された物件のうち、全体の56%が市場に出てから1カ月弱で販売され、11月の62%を下回った。ただ、在庫の減少により、販売ペースで換算した在庫水準は3.2カ月分と、前月の3.5カ月を下回り、6月の3.1カ月以来の低水準となった。

 12月の住宅価格(中央値)は前月比1.3%低下の38万2600ドルと6カ月連続で低下し、3月の37万5400ドル以来、9カ月ぶりの低水準となった。ただ、前年比は4.4%上昇と、6カ月連続で前年水準を上回っている。

 また、23年全体では前年比0.9%上昇の38万9800ドルと、過去最高値を記録した。供給不足が住宅価格を高止まりの要因になっている。

 主力の一戸建ては前月比1.3%低下の38万7000ドルと6カ月連続で低下したが、23年全体では前年比0.45%上昇の39万4600ドルと過去最高値となった。住宅供給不足と高水準の住宅価格を反映し、12月の新規住宅取得者の比率は29%と、前月の31%を下回った。

 市場では、低金利時に住宅を購入した所有者が持ち家の売却に慎重なため、直近で6%台の住宅ローン金利が3-4%程度まで低下しなければ供給不足は解消されないとみている。

 ただ、NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「2カ月前と比べて住宅ローン金利が大幅に低下しており、今後数カ月でさらに多くの在庫が市場に出回ると予想される」とした上で、「販売件数は12月で底入れし、24年から増加する可能性がある」と、楽観的な見方を示している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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