【為替本日の注目点】日銀決定会合変更なし

為替

サーチナ

2024/1/24 9:53

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は日銀総裁の会見を受け急落し、147円を割り込んだがその後反発。NYではさらにドル買いが進み、148円70銭までドル高が進む荒っぽい展開に。ユーロドルはドル円の動きに引っ張られる形で1.0822まで下落。株式市場ではダウは下げたものの、S&P500とナスダックは連日で最高値を更新。債券は売られ長期金利は4.12%台に上昇。金は反発したが原油は小幅安。

1月リッチモンド連銀製造業景況指数 → -15

マーケット情報

ドル/円 147.88 ~ 148.70

ユーロ/ドル 1.0822 ~ 1.0875

ユーロ/円 160.65 ~ 161.08

NYダウ -96.36 → 37,909.45ドル

GOLD +3.60 →  2,025.80ドル

WTI -0.39  → 74.37ドル

米10年国債 +0.023 → 4.128%

本日の注目イベント

日 12月貿易統計

独 独1月製造業PMI(速報値)

独 独1月サービス業PMI(速報値)

欧 ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)

欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)

欧 ユーロ圏1月総合PMI(速報値)

英 英1月製造業PMI(速報値)

英 英1月サービス業PMI(速報値)

米 1月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)

米 1月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)

米 1月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)

米 企業決算 → AT&T,テスラ、IBM,

加 カナダ中銀政策金利発表

 日銀決定会合を巡りドル円は乱高下しました。会合では事前予想通り政策変更はなく現状維持でしたが、発表直後にドル円は買われ、148円40銭近辺までドル高が進みました。

 午後3時半の植田総裁の会見は、これまでよりも歯切れが良く、全体的なトーンでは「マイナス金利解除」の可能性が以前よりも高まってきたといった印象を個人的には感じました。ドル円は、総裁の「物価目標実現の確度が少しずつ高まっている」との発言を受け円買いが強まり、一時は146円98銭前後までドルが売れられる場面もありました。ヘッドラインに反応しAIが円買いを発動したものと思われますが、ドル円は直ぐに値を戻しNYでは会見前の水準を大きく上回る148円70銭までドルが買われています。日銀がマイナス金利を解除し、徐々に円金利が上昇し、「金利のある世界」に戻れば、ドル円は円高方向に動くことは誰もが認識しているところですが、円が大きく買われず再び148円台で戻ってくるところに、市場の認識とは異なる何かを感じます。記者から「マイナス金利解除が近いと理解していいのか?」との質問に対して総裁は、「どのくらい近づいたか定量的な把握は非常に難しい」と答えていました。3月にも決定会合はありますが、今後さらに今春闘の賃上げなどの判断データが集まることから、余程の想定外の事態が起きない限り、4月の会合で日銀は「動く」と予想しています。

 米大統領選に向けた共和党の指名争い第2戦がニューハンプシャー州で行われています。トランプ氏有利は動かないところですが、同州は無党派層が多く、ヘイリー氏にも分があるといった見方もあります。同州の予備選がヘイリー氏にとっても最後のチャンスになると指摘する声も多く、ここでトランプ氏が勝利すれば実質的には共和党候補「当確」という状況のようです。フロリダ州のデサンティス知事が選挙戦から撤退し、ヘイリー氏との一騎打ちとなったことを受けトランプ氏は、「おそらく、明日は一人になるだろう」と述べています。投票は日本時間24日午前10時に締め切られ、午後には結果が判明するかもしれません。一方再選を目指すバイデン氏は有力な民主党候補がいない中、これまでの実績を訴える戦法のようでが、高齢とイスラエルの行き過ぎたパレスチナ自治区ガザでの攻撃への対応から支持率は低迷しているようです。「バイデンVSトランプ」の闘いになりそうです。

 トルコ議会が数カ月の審議を経て、スウェーデンのNATO加盟を承認しました。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、スウェーデンは2022年5月にNATOへの加盟を申請していましたが、ようやくトルコが承認し、残るはハンガリーのみとなっています。NATOは「多数決方式」を採用していないため、加盟国全ての承認が必要です。隣国フィンランドはすでに昨年4月にNATO加盟を果たしています。

 日銀決定会合が終わり、市場の関心は来週30-31日のFOMCに移ります。こちらも政策変更はなしと予想されますが、植田総裁の会見でもあれほど動いたドル円です、パウエル議長の会見での発言内容次第では大きく動く可能性があります。

 本日のドル円は147円30銭~149円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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