RBA、政策金利据え置き―市場予想通り

経済

2024/2/6 14:32

<チェックポイント>

●据え置きは2会合連続

●インフレ率が目標の範囲内に収まるには時間要すると

●総裁、「さらなる金利上昇の可能性は排除できない」

 豪準備銀行(RBA、中銀)は6日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を4.35%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。据え置きは2会合連続。

 市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも4.25%に据え置いた。

 RBAのブロック総裁は、金利据え置きを決めたことについて、足元のインフレは緩やかな傾向だが、依然として高水準にあると指摘したうえで、「インフレ率が持続的に物価目標の範囲内に収まるにはまだ時間がかかる」と予想した。海外のサービス価格の上昇が続いていることがオーストラリアにも波及する可能性があるとの見方も改めて示している。

 また、インフレ見通しの不確実性(リスク)については、中国経済の先行きや、ウクライナのほか、中東情勢をあげた。国内では、金融政策の効果の遅れや、雇用逼迫の中での企業の価格決定や賃金の動向をあげたうえで、「インフレを目標に戻すことが優先事項だ」としている。

 総裁は、「インフレが物価目標の範囲に向かって持続的に推移していると確信する必要がある。これまでのところ、中期インフレ期待はインフレ目標と一致しており、これが維持されることが重要」とも述べている。

 景気リスクについては、「インフレ率が25年に前年比2-3%上昇の物価目標の範囲に戻り、26年には中間点に戻る。需要が緩やかになり、労働コストと非労働コストの伸びが鈍化するにつれて、サービス価格のインフレは徐々に低下すると予想されている。雇用は引き続き緩やかに増加すると予想され、失業率と広範な非活用率はさらに若干上昇すると予想されている」とした。

 今後の金融政策については、「インフレが妥当な時間内で物価目標に戻ることを確実にするため、金融政策のさらなる引き締めが必要になるかどうかは経済データと(景気やインフレの見通しに対する)リスクの動向に依存しており、さらなる金利上昇の可能性は排除できない」とし、タカ派姿勢を維持した。前回会合時は「データ依存」の文言によってタカ派姿勢がやや緩和したと見られたが、今回は新たに「さらなる金利上昇の可能性は排除できない」との文言を加えている

 市場では、国内のインフレ率がRBAの目標を上回っていることから、今年半ばまでに政策金利を引き上げる可能性があると見ている。

 次回会合は3月18-19日に開かれる予定。

提供:ウエルスアドバイザー社

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