【為替本日の注目点】2月のISM非製造業景況指数下振れる

為替

サーチナ

2024/3/6 10:02

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は150円台を維持できず反落。2月のISM非製造業景況指数が下振れしたことで、米金利が低下。149円71銭までドル安が進む。ユーロドルはドル安が進んだことでやや水準を切り上げ1.0876まで買われる。株式市場は3指数が揃って大幅安。ダウは一時500ドルを超える下げを見せたが、404ドル安で引ける。アップルなどハイテク株の下げが重石に。債券は反発。長期金利は4.15%台に低下。金は4日続伸し過去最高値に迫る。引け値は前日比15ドル高の2141ドル。原油は続落。

1月製造業受注 → -3.6%

2月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 52.3

2月S&Pグローバル総合PMI(改定値) → 52.5

2月ISM非製造業景況指数 → 52.6

マーケット情報

ドル/円 149.71 ~ 150.40

ユーロ/ドル 1.0840 ~ 1.0876

ユーロ/円 162.60 ~ 163.16

NYダウ -404.64 → 38,585.19ドル

GOLD +15.60 → 2,141.90ドル

WTI -0.59 → 78.15ドル

米10年国債 -0.061 → 4.153%

本日の注目イベント

豪 豪10-12月期GDP

独 独1月貿易収支

独 独1月経常収支

欧 ユーロ圏1月小売売上高

米 2月ADP雇用者数

米 1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数

米 ベージュブック(地区連銀経済報告)

米 パウエル・FRB議長、下院金融委員会で証言

米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、基調講演

米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米紙WSJの討論会に参加

米 大統領選、民主党ハワイ州党員集会

加 カナダ中銀政策金利発表

 ドル円は昨日も150円台半ばを超える場面がありましたが勢いはなく、NYでは2月のISM非製造業景況指数が予想を下回り金利が低下したことで149円71銭までドル売りが進んでいます。昨日の朝方には2月の「東京都区部の消費者物価指数(CPI)」が発表され、コアCPIが「2.5%」だったこともドル売りにつながり易い面もありました。同指数は、全国のCPIの先行指標と位置付けられており、前月からの伸びが拡大したことで、日銀の金融正常化を後押しするとの観測につながっていました。

 NY株式市場では、久しぶりに3指数が大きく売られました。アップルなど大型ハイテク株が売られ、いわゆる「マグニッフィセント7」が下げをけん引する展開でした。「このところの上昇で、特に大型株に見られる極めて高いバリエーションを巡る懸念が浮上。そうした大型株は悪材料が出た場合に大きく動きやすい状況にあった」とブルームバーグは解説しています。一方で、金が連日大きく買われ、昨日は昨年12月に記録した最高値である2152.30ドルに迫る、2150.50ドルまで買われています。金利低下が見込めることや地政学的リスクの高まりが相場を押し上げているようです。またビットコインも連日上値を切り上げ、昨日は最高値を更新しましたが、その後は利益確定の売りに押されています。相場のトレンドを追いかける「ホットマネー」が活発に動いているようです。

 米大統領選の序盤のヤマ場である「スーパーチューズデー」が始まり、15州で投票が始まり、トランプ氏の優勢が続いていると伝えられています。前日、連邦最高裁の意見書が公開され、「憲法修正14条3項を各州で施行することはできず、その権限は議会にある」との判断が示されました。同判断は「全会一致」とのことでしたが、水面下ではリベラル派からの異論も出ています。リベラル派3判事が出した「同意意見」は、「3人が最終判断に憤りを感じていることを隠さない。反乱に関与した人物の公職就任を禁じた憲法修正14条3項が保守派判事らによって不必要に骨抜きにされたとして、3人は辛辣な批判を浴びせている」(ブルームバーグ)3判事は、「慎重な扱いを要するケースが司法による抑制を求めていたが、最高裁はその道を進まなかった」と同意文書に記述しており、「中身は反対意見のように受け止められる」(ブルームバーグ)との見方もあります。ここにきて連邦最高裁でのリベラル派と保守派の対立が明らかになってきましたが、元々トランプ氏は自身が在任中に最高裁に保守系判事3人を送り込んでおり、コロラド州最高裁の判断も、連邦最高裁に上告すれば「覆せる」という目論見もあったようです。

 ドル円は150円台後半の「壁」が越えられず再び149円台まで売られています。今夜はパウエル議長の議会証言があり、ここでは「利下げは急がない」ことを強調するのではないかと予想されています。発言内容がそのニュアンスの強いものであれば、ドルが買われ再び上値テストとなりそうですが、足元ではインフレ再燃の懸念があるものの、それは一時的なものであるといった意味合いが込められるようであれば、ドルが売られる可能性もあります。

 本日のドル円は149円20銭~151円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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