<新興国eye>前週のブラジル株、年内3回の米利下げ見通しや堅調な景気指標に反発=BRICs市況

新興国

2024/3/25 8:56

 前週(18-22日)のブラジル株式市場は22日のボベスパ指数が前日比0.88%安の12万7027.1、週間ベースでは15日終値比0.23%高となり、4週ぶりに反発した。

 週明け18日は指数が上昇、20日まで3日続伸した。21日は反落。

 週前半は、FRB(米連邦準備制度理事会)とブラジル中銀の金融政策決定会合を間近に控え、買いが慎重となる中、ブラジルのGDP伸び率の先行指標となっている1月IBC-Br(経済活動指数)が前月比0.60%上昇と、前月の同0.82%上昇を下回ったものの、さらに伸びとなったことが好感され、買いが優勢となった。また、重要な貿易相手国である中国の経済指標が予想を上回ったことから中国経済の減速懸念が後退、支援材料となった。

 その後は、ブラジル中銀が予想通り、0.50ポイントの利下げを継続、FRBは金利を据え置くとの期待感から買いが一段と強まった。個別銘柄では中南米最大の石油化学大手ブラスケムと家具・電子機器小売李大手マガジン・ルイザが好決算で買われ、上げをけん引した。

 週後半は、FRBが金融政策決定で、最近のインフレ高止まりにもかかわらず、年内3回の利下げ見通しを据え置いたことが好感され、買いが優勢となった。その後は、ブラジル中銀の金融政策決定に関する声明文が見直され、0.50ポイントの利下げは次回5月会合までで、6月会合からインフレデータに依存しながら、利下げペースを調整(減速)するとの懸念が強まり、売りが優勢となった。ただ、2月の政府歳入額が前年比12.3%増の1865億レアルと、2月として過去最高を記録したことが好感され、下げは限定的となった。

 週末22日は続落。引き続き、ブラジル中銀が将来の利下げペースが鈍化するとの懸念で売りが強まった。また、23年度の基礎的財政赤字が対GDP比0.1%の赤字(29億レアル)となる見通しが発表され、政府の自由裁量支出が制限され、政府投資が縮小するとの懸念も売り材料となった。

 今週(25-29日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は25日の2月経常収支や26日の3月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、27日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)3月IGP-MIインフレ指数と2月財政収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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