<新興国eye>トルコ3月経済信頼感指数、サービスが改善、小売・建設は悪化

新興国

2024/3/26 9:14

 トルコ統計局が22日に発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す3月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業(全体指数)が前月比1.5%上昇の120.4と、前月(2月)の同1.6%上昇に続き、4カ月連続で上昇(改善)し、22年5月(121.7)以来、1年10カ月ぶりの高水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比0.4%上昇(前月は1.8%上昇)の119.5となり、3カ月連続で改善。過去3カ月間の需要(遅行指数)も同1.9%上昇(同2.6%上昇)の120.6と、4カ月連続で改善した。今後3カ月間の需要見通し(先行指数)も同2.2%上昇(同0.4%上昇)の121.3と、3カ月連続で改善。

 対照的に、小売業は前月比1%低下(前月は1%低下)の113.3と、3カ月連続で悪化し、23年11月(111.7)以来の低水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同0.8%低下(同1.1%低下)の131.6と、2カ月連続で悪化し、今後3カ月間の販売見通しも同2.8%低下(同0.1%上昇)の117.4と悪化。ただ、商品在庫は同1.1%上昇(同2.3%低下)の90.9と、4カ月ぶりに在庫過剰感が改善した。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業も前月比3.6%低下(前月は1%上昇)の88.6と3カ月ぶりに悪化し、23年12月(88)以来の低水準となった。サブ指数の受注残は同1.5%低下(同0.3%低下)の82.7と2カ月連続で悪化。今後3カ月間の雇用見通しも同5.3%低下(同2,2%上昇)の94.4と3カ月ぶりに悪化した。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した3月の製造業設備稼働率(季節調整前)は76.2%と、前月(2月)の76.4%から0.2ポイント低下した。ただ、依然、コロナ禍前の20年1月の75.5%や1年前の73.5を上回っている。コロナ禍が最も厳しかった20年4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいた。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは中間財の76.5%(前月は76.7%)と投資財の76.5%(同76.4%)だった。次いで耐久財が73.8%(同72.1%)で、前月を大幅に上回った。消費財は73.3%(同73.6%)、非耐久財は73.1%(同73.8%)と、いずれも前月を下回った。

 他方、季節調整後(SA)の製造業設備稼働率は3月が77.2%と、前月(77%)を上回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ