<新興国eye>ハンガリー中銀、政策金利を0.75ポイント利下げ―市場予想通り

新興国

2024/3/27 9:14

 ハンガリー中央銀行は26日の金融理事会で、主要政策金利であるベース金利(準備預金への付利金利)を0.75ポイント引き下げ、8.25%とすることを決めた。市場の大方の予想通りだった。となる。

 他の主要政策金利についてもベース金利の上下幅(コリドー)の下限を示す翌日物預金金利を7.25%、上限を示す翌日物有担保貸出金利を9.25%と、それぞれ同率引き下げた。新金利は27日から適用開始。

 利下げは6会合連続。2月の会合では23年10-12月期GDP(国内総生産)の伸び率が減速したことを踏まえて1ポイントの大幅利下げに踏み切ったが、過度な追加利下げは通貨フォリント安を進行させるほか、中銀も1ポイントの利下げは一時的との認識を示していたため、市場では中銀が利下げ幅を1月会合までの0.75ポイントに戻すと予想していた。

 また、中銀は今後の金融政策について、「世界的なディスインフレと海外の投資家心理の不安定性をめぐるリスクを考慮し、今後数カ月は金融政策に慎重なアプローチが必要になる」とし、利下げペースを減速する方針を示している。

 加えて、「不安定な国際情勢により、ハンガリー資産のリスクプレミアムが最近上昇している」とし、特に「為替スワップ市場の動向に注視している」と、通貨安への懸念を示した。

 バルナバス・ビラグ副総裁は会見で、3%上昇の物価目標を持続的に達成するため、金融政策は引き締めを継続する必要があり、金融市場の安定が不可欠と述べている。ただ、24年下期はさらに慎重な金融政策を追求、6月末までにベース金利が6.5-7%に低下すると予想している。

 市場では利下げペースをめぐって、政府は景気刺激のため、中銀に対し、より大幅な利下げを求めているが、年央に通貨安による輸入インフレの上昇やベース効果で一時的にインフレが加速、最近のディスインフレ傾向が反転する可能性があるため、4-6月期には利上げペースが鈍化、その後は利下げの一時停止の可能性もあると見ている。

 次回の金融政策決定会合は4月23日に開かれる予定。

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 上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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