【為替本日の注目点】金価格連日の最高値更新

為替

サーチナ

2024/3/29 10:27

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は151円台で一進一退。東京では151円台後半を試し、NYでは151円の下方を試す動きがあったものの、いずれも抜け切れず。前日の政府3者会合が円売りを抑制。ユーロドルではドル高が鮮明に。1.0784まで売られ、およそ6週間ぶりのドル高ユーロ安に。株式市場はまちまちながらS&P500は小幅に続伸し、連日の最高値更新。債券は反落し、長期金利は4.2%に。金は大幅に続伸し最高値を更新。原油も大幅反発。

新規失業保険申請件数  → 21.0万件

10-12月GDP(確定値) → 3.4%

3月シカゴ購買部協会景気指数  → 41.4

3月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 79.4

2月中古住宅販売成約件数 → 1.6%

マーケット情報

ドル/円 151.15 ~ 151.42

ユーロ/ドル 1.0784 ~ 1.0819

ユーロ/円 163.05 ~ 163.57

NYダウ +47.29 → 39,807.37ドル

GOLD +25.70 → 2,238.40ドル

WTI +1.82 → 83.17ドル

米10年国債 +0.01 → 4.200% 

本日の注目イベント

日 3月東京都区部消費者物価指数

日 2月鉱工業生産

米 2月個人所得

米 2月個人支出

米 2月PCEデフレータ(前月比)

米 2月PCEデフレータ(前年比)

米 2月PCEコアデフレータ(前月比)

米 2月PCEコアデフレータ(前年比)

米 株式、債券市場休場(グッドフライデー)

米 パウエル・FRB議長講演

米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、冒頭挨拶

 ドル円は151円台でのもみ合いが続いています。前日151円97銭までドル高が進み、財務省などが緊急の3者会合を開催し、神田財務官がこれまで以上に強い言葉で円安けん制を行ったことが、今のところ円売りを抑制しているようです。ただドル買いも根強く、昨日の東京時間には151円55銭までドルが買われる場面もありました。27日にFRBのウォラー理事は、「最近のインフレ統計には失望を感じる。利下げに踏み切る前に、少なくとも数カ月分の良い内容のインフレデータを目にしたい」と述べ、その上で、「最近の経済データでは年内に予想される利下げを遅らせるか、利下げ回数を減らすことが裏付けられる。金利引き下げを急ぐことはない」との認識を示しています。ウォラー理事の発言は、年内1回の利下げの可能性を示唆したアトランタ連銀のポスティック総裁ほどではないものの、かなり具体的でタカ派的な認識であり、ドル高に作用しています。

 3月のミシガン大学消費者マインド確定値は、速報値の「76.9」から大きく改善し「79.4」と、2021年半ば以来となる高水準でした。上振れの背景は、多くの消費者が依然としてインフレは鈍化するとの見立てを維持し、金利が低下するとの期待に加え、足元の株高が消費者心理を改善させていると見られます。インフレ再燃懸念はあるものの、金利低下観測から金価格も堅調に推移し、昨日は一時2246ドルまで買われる場面があり、連日で最高値を更新しています。金利低下観測に加え、カネ余り、さらには中国での不動産バブルの崩壊に伴い、中国人がこぞって金に資金を流入させているとの報道もあります。金利の付かない金は、「キャピタルゲイン」のみが拠り所ですが、地政学的リスクの高まりも金価格を押し上げています。またWTI原油価格も83ドル台まで買われ、昨年11月以来となる高値です。米国はシェールオイルの産出が活発ですが、ほぼ全量を輸入に頼っている日本にとって原油価格の上昇は貿易赤字の拡大につながり、ドル高要因になります。また折からの「円安」もあり、電気料金などの値上がりにも拍車をかけそうです。大手電力会社10社は昨日、5月請求分(4月使用分)が平均的な使用量で、4月分に比べ441~579円高くなると発表しています。特に東京電力では、4月分よりも561円高い813円も高くなるそうです。

 本日のNYは「グッドフライデー」のため休場ですが、FRBが注目する重要なインフレ指数である個人消費支出(PCE)価格指数が発表されます。予想は前月比、前年比とも概ね1月よりも上振れが予想されています。また、本日はパウエル議長の講演もあります。現時点ではFOMCメンバ-の中では「最もハト派寄り」であるパウエル氏ですが、前回のFOMC後の会見からどの程度トーンが変わったのかが注目されます。議長は今月20日のFOMC後の会見では、「インフレ率が目標の2%に向う全体的なストーリーは変わっていない。たとえ労働市場が堅調であっても、利下げ開始を止められないだろう」と、予想以上のハト派寄りの発言を行いドル売りを誘いましたが、その後上述のように、アトランタ連銀のポスティック総裁やウォラー理事の発言に見られるように、メンバーの発言はかなり「タカ派色」をおびて来ました。それでも「利下げは止められないだろう」と言うか、注目されます。

 本日のドル円は150円50銭~152円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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