<新興国eye>前週のロシア株、海外株高や原油高、通貨ルーブル高を受け3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2024/4/1 8:57

 前週(3月25-29日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の29日終値は前日比0.77%高の1136.91、前週比では22日終値比2.1%高と、3週ぶりに反発した。

 週明け25日は指数が上昇、27日まで3日続伸した。28日は小反落。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル当たり86.7ドルに上昇したことが好感され、買いが優勢となった。原油高は中東情勢の悪化懸念が背景。その後は、原油高に加え、海外株高が相場を下支えした。指数の構成ウェートが高い国営天然ガス大手ガスプロムが上げをけん引。極東・サハリン沖の石油・天然ガス鉱区「サハリン2」の開発・運営主体サハリン・エナジーの株式27%を取得したことが好感された。

 週後半は、引き続き、海外株高を受け、ロシア市場でも買いが強まった。通貨ルーブル高も支援材料となった。個別銘柄では複合企業大手AFKシステマが24-26年の配当政策を見直したことが好感され、急騰、上げをけん引。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。

 週末29日は急反発。欧米市場が「グッドフライデー」の祝日で休場となる中、ロシア自動車リース大手ユーロプランがモスクワ証券取引所でIPO(新規株式公開)を実施、初取引で公開価格を約9%上回ったことが好感され、買いが優勢となった。航空大手アエロフロートと通信最大手ロステレコムも買われ、上げを主導。

 今週(1-5日)のロシア市場は引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える3日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や4日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は1日のロシア製造業PMI(購買担当者景気指数)や3日のロシア非製造業PMIと2月失業率、2月小売売上高、5日の23年10-12月期GDP伸び率など。指数は1100-1170のレンジの動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ