<新興国eye>トルコ地方選、エルドアン大統領陣営が大敗―市場は経済政策に変更なしと予想

新興国

2024/4/2 8:49

 トルコの地方選挙の投開票が3月31日に実施され、オズグル・オゼル党首が率いる中道左派の最大野党・共和人民党(CHP)が大躍進、エルドアン大統領が率いる与党・公正発展党(AKP)が敗北した。

 地元アナドル通信社によると、投票率は76%となり、開票率90%超の段階で、CHPが全国81県のうち、約4割超の36県で勝利、得票率も37%と、AKPの36%を上回った。この結果、CHPが第1党に躍進、AKPは2位に後退、イェニ・レファ党(新福祉党)が3位となった。

 エルドアン大統領は同日、大統領宮殿での国民に向けた演説で、選挙の敗北を認めた。今回の選挙は5年前の地方選で主要都市の支配権を野党に奪われたことを受け、失地回復とエルドアン大統領の人気を占う意味で重視されていただけに、与党敗北は同大統領の人気に陰りが見え始めたと見られている。

 与党大敗を受け、金融市場では1日の通貨トルコリラ相場が1ドル=32.53トルコリラとなり、ドルに対し下落した。選挙後初の主要株価指数はイスタンブール証券取引所で1%超上昇して取引を開始した。ただ、市場ではエルドアン大統領の今後の経済政策には大きな変化は起きないと予想している。

 市場では与党が大敗を喫した理由について、有権者が深刻な経済低迷を理由に与党を懲らしめようとしたと見ている。また、与党敗北により、今後、現在の任期が終わる28年以降も政権継続を可能にするための新憲法制定を目指すエルドアン大統領にとっては打撃になると見られている。エルドアン大統領は14年に首相から大統領に就任している。

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提供:ウエルスアドバイザー社

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