<新興国eye>トルコ3月CPI、前年比68.5%上昇に加速―前月比は3.16%上昇に減速(1)

新興国

2024/4/4 8:48

 トルコ統計局が3日発表した3月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比68.50%上昇と、前月(2月)の同67.07%上昇を上回り、5カ月連続で伸びが加速、22年11月(84.39%上昇)以来、約1年4カ月ぶりの高い伸びとなった。ただ、市場予想(69.1%上昇)を下回った。

 同国のインフレ率はウクライナ戦争の勃発(22年2月24日)と、それに伴う西側の対ロ経済制裁により、エネルギー価格の高騰と、中銀の利下げに伴う通貨トルコリラの急落が加わり、21年6月(前年比17.53%上昇)から22年10月(同85.51%上昇)まで17カ月連続で急加速した。翌11月(同84.39%上昇)から23年6月まで減速したが、最近は再加速傾向にある。23年7ー9月は加速、10月は減速したものの、11月以降、5カ月連続で加速している。

 ただ、前月比(全体指数)は3.16%上昇と、前月(1月)の4.53%上昇を下回り、2カ月連続で伸びが鈍化した。23年12月(2.93%上昇)以来、3カ月ぶりの低い伸びとなっている。

 市場では3月のインフレ加速(前年比)は最低賃金(月額報酬)の引き上げやホテル、カフェ、レストランの価格高騰が要因で、今後数カ月、前年比でインフレ加速が継続、5月には前年比73-75%上昇にまで加速、その後は24年末までに45%上昇に減速すると予想。依然、中銀に対する金融引き締め圧力が続くと見ている。

 セクター別(前月比)のインフレ率は、教育が13.08%上昇(前月は12.76%上昇)と、最も高い伸びとなった。次いで、通信が5.65%上昇(同4.31%上昇)、ホテル・カフェ・レストランは3.95%上昇(同5.43%上昇)、レクリエーション・文化は3.74%上昇(同3.19%上昇)、天然ガス料金を含む住宅(光熱費や修理費)が3.42%上昇(同3.41%上昇)、食品・生鮮飲料水が3.40%上昇(同8.25%上昇)、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスは3.24%上昇(同3.52%上昇)、家具・生活用品が3.23%上昇(同3.01%上昇)と、全体の伸び(3.16%上昇)を上回った。

 このほか、アパレル・靴が2.64%上昇(同0.2%上昇)、運輸が1.73%上昇(同2.85%上昇)、ヘルス(薬局・美容)が1.42%上昇(同3.64%上昇)、対照的に、最も低い伸びとなったのは酒・たばこの0.02%低下(同0.49%上昇)だった。

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 上場MSエマ<1681.T>

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