<新興国eye>前週のロシア株、主要企業の配当実施や通貨ルーブル高を受け5週続伸=BRICs市況

新興国

2024/4/30 8:57

 前週(22-27日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の27日終値は前日比0.4%安の1182.25、前週比では19日終値比0.73%高と、5週続伸した。

 週明け22日は指数が上昇。翌23日は4営業日ぶりに反落した。24日は反発、25日も続伸した。

 週前半は、買いが優勢となったが、ブレント原油先物が1バレル当たり87ドルに後退、また、通貨ルーブル安となったため、上値が重くなった。個別銘柄では複合企業大手AFKシステマや食品スーパー最大手X5リテール・グループが買われ、上げをけん引。その後は、多くの大手企業が配当実施の発表後、上昇したあと、利食いりに押された。石油大手スルグトネフチガスは配当の規模を明確にしなかったことが嫌気され、急落、下げを主導。

 週後半は、通貨ルーブル高を受け、買いが優勢となった。ただ、原油価格が88ドルで弱含んだことや、西側の対ロ追加制裁の発表が重石となった。その後は、四半期決算が好調となったイーコマース(電子商取引)最大手オゾンや国営金融大手VTB(対外貿易銀行)も四半期決算で利益が予想を上回ったことを受け、急騰、上げをけん引した。

 週末26日は3日続伸。ルーブル高が進んだことから買いが一段と強まった。中銀が金融政策決定で高水準の政策金利(16%)が長期間継続される見通しを示したことが背景。また、中銀は最新の経済予測で24年成長率を前回予測の2倍の2.5-3.5%増に引き上げたことも支援材料となった。

 特別取引が行われた27日は反落。これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、ルーブルが下落に転じたため、地合いが悪化した。個別銘柄では露3大製鉄所の一つであるマグニトグルスク鉄鋼が配当が投資家の期待に反したため、急落、下げを主導。

 今週(4月29日-5月3日)のロシア市場は引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える1日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や2日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は29日の3月小売売上高と3月失業率など。1日は「レイバーデイ」の祝日のため、休場となる。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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