【為替本日の注目点】ドル円小幅に続伸

為替

サーチナ

2024/5/8 10:47

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は比較的小動きの中、ドル買いが優勢となり154円74銭まで上昇。ミネアポリス連銀総裁の発言もドルを支える。ユーロドルはやや水準を下げたものの、1.07台で推移。株式市場はまちまち。ナスダックは小幅安ながら、他の2指数は小幅高。債券は続伸。長期金利は4.45%台へと低下。金は売られ、原油はほぼ横ばい。

3月消費者信用残高 → 6.274b

マーケット情報

ドル/円 154.24 ~ 154.74

ユーロ/ドル 1.0745 ~ 1.0787

ユーロ/円 166.24 ~ 166.56

NYダウ +31.99 → 38,884.26ドル

GOLD -7.00 → 2,324.20ドル

WTI -0.10 → 78.38ドル

米10年国債 -0.030 → 4.457%

本日の注目イベント

独 独3月鉱工業生産

米 クック・FRB理事講演

米 ジェファーソン・FRB副議長、討論会に参加

米 コリンズ・ボストン連銀総裁講演

米 企業決算 → ウーバー、アーム

 154円台を回復したドル円は、NYでは特段材料もない中、154円74銭まで上昇しました。重要経済指標の発表や重要イベントも通過したことで、市場の荒っぽい動きも一服といったところでしたが、地区連銀総裁のタカ派発言がドルをサポートする場面がありました。

 ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は7日ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、「間違いなく失速していると断言するにはやや時期尚早だ。現在われわれは良い位置にある。労働市場は依然として強く、ディスインフレが続くのであれば素晴らしいが、そうでない場合は、そのことを受け入れる必要がある」と、ややタカ派寄りの発言を行いました。同連銀のウェブサイトでも、ミルケン研究所主催のカンファレンスでの同総裁の発言として、「インフレが再び下がり始める、あるいは労働市場に著しい軟化がいくらか見られた場合、金利を引き下げるかもしれない。一方で、インフレが3%で定着し、金利を引き上げる必要があると最終的に確信した場合は、必要に応じてそうするだろう」と述べられており、また、「インフレは直近四半期に横ばいで推移しており、政策がどれほど実際に抑制的か疑問を提起する」とも記述されています。(ブルームバーグ)今後の利下げには楽観的な見方を示したリッチモンド連銀のバーキン総裁とは、対照的な発言と受け止められています。

 イスラエルとハマスの休戦交渉が大詰めを迎えているようです。ハマスの最高主導者のハニヤ氏は「停戦合意に関する提案を受け入れる」と述べたのに対し、イスラエル政府は受け入れられない」と反発し、これまで計画していたパレスチナ自治区ガザ南部ラファでの地上作戦を、限定的ですが開始したと報じられています。エジプトやカタールの仲介に加え、米国からはバーンズCIA長官まで出動し、イスラエルに圧力をかけていましたが、ネタニヤフ首相はこれを受け入れない姿勢を示しています。これに対して米国はイスラエルに対して武器や弾薬の供給を停止する行動をとり、これは開戦以来、初めてのこととなり、イスラエルの地上作戦にも影響を与えそうです。バイデン大統領はネタニヤフ首相と6日にも電話で協議し、ラファへの侵攻は「レッドラインを超える」と警告しています。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略調整官は、「100万人を超える罪のない人々を、より大きな危険にさらし得るラファでの作戦に関する米国の立場をバイデン氏はあらためて明確に伝えた」と話していました。

 日銀の植田総裁は昨日の夕方5時過ぎに岸田首相と首相官邸で30分ほど会談を行いました。総裁は会談で、為替が経済物価に与える影響などについて議論したと述べ、「円安は経済物価に潜在的に大きな影響を与え得るものであり、最近の円安について日銀の政策運営上、十分注視していくことを確認した」と述べていました。決定会合後の会見で、「円安を加速させてしまった」ことを説明したのではとの見方もあるようです。

 本日のドル円は153円90銭~155円40銭程度を予想します。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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