久世、低評価を覆す業績V字回復に期待

注目株

2018/4/11 17:30

 外食向け食材卸の久世(2708・JQ、百株)に注目する。

 同社はレストランや居酒屋、ホテルなど外食業界に、メニュー提案から消耗品まで含めた食材サービスを幅広く提供している。

 一方、直近業績は振るわず、前2018年3月期は上期の連結営業利益が当初計画を大きく下ブレ。第3四半期累計でも営業利益は前年同期比48.2%減の2.6億円と低調だった。原材料価格の高騰や物流コスト増が響いており、通期計画(営業利益は前々期比5.5%増の6億円)達成はかなり高いハードルとみられる。

 株価はこれらを織り込み、昨年4月以降は900~1000円前後でもみ合っている。ただし、16年3月期に大手居酒屋チェーンとの取引を中止し、採算性の低い居酒屋系からファミレスなどに比重を移す施策を講じているほか、今年2月には病院や福祉施設向けの食材販売企業と資本・業務提携を発表するなど、新たな取り組みが期待される。外食市場の拡大もあり、全国展開する同社の強みが今後に生きると考えられる。

 PBR(株価純資産倍率)は0.6倍弱と低く、今期の業績V字回復が見通されれば、再評価機運が高まりそうだ。

(片岡利文)

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