SBIインシの乙部辰良会長兼社長に聞く――業界トップ級の価格競争力の高さが強み

新興ニュース

2018/10/10 17:31

 SBIインシュアランスグループ(7326・M、保険)はSBIグループの保険事業を統括する持株会社で、傘下にSBI損害保険、SBI生命保険、少額短期保険会社3社を持つ。9月27日に東証マザーズに新規上場した。同社の現状と今後について代表取締役執行役員会長兼社長の乙部辰良氏に聞いた。

フィンテック活用、新製品開発へ

 ――御社の強みは何ですか。

 「インターネットを活用することで、中間コストを削減し、各分野で業界トップクラスの価格競争力の高い保険料を実現しています。また、SBIグループには約2400万人の顧客基盤があり、それを使って保険をPRできるため、マス広告を行わずに済むことも価格競争力の高さにつながっています。それに加えて、顧客のライフスタイルに合わせて広いカバー範囲、きめ細かな保険料を設定することにより、お客様のニーズに応えています」

 ――フィンテック(金融のIT化)の活用はいかがですか。

 「現在、あらゆる分野において猛スピードで、フィンテック関連の技術が発展しています。対応するのは大変ですが、当社の場合、グループのインベストメント部門が国際的にフィンテックのスタートアップ企業に出資していることから、いち早く最先端の技術を持つ企業と提携し、新商品開発、サービスのブラッシュアップを実現したいと思っています」

 ――M&A(企業の合併・買収)、他社との提携に積極的です。

 「当社はM&Aで事業を拡大してきた経緯があり、今後もシナジー(相乗)効果が期待できる話があれば前向きに対応します。また、子会社のSBI生命がタニタヘルスリンクなどと提携し、バイタルデータ、アクティビティデータに基づくパーソナル保険の開発を進めています。さらに、10月にはドイツのフィンテック・ベンチャーであるエレメント・インシュアランスに出資することで合意しました。エレメント社はニーズに応じて最適な保険商品を設計するプラットフォームを持っており、それを自ら使うだけでなく、クラウドで他の保険会社に提供するビジネスも手掛ける最先端テクノロジー企業です。今後、少額短期保険などで新商品開発に活用することを検討したいと思っています」

 ――業績面の展望を教えてください。

 「現在、損害保険、生命保険、少額短期保険の収益の比率がおおむね三分の一ずつです。今後もそれぞれの分野でより価格競争力が高くお客様のニーズに合った商品を提供し、3分野そろって成長継続していきたいと考えています」

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