FOMC、政策金利を全員一致で据え置き―利上げは早くて6月との見方強まる
2019/1/31 9:58
<チェックポイント>
●「将来の利上げに辛抱強くなる」の文言追加し利上げ終息接近示す
●インフレの現状認識で「市場の期待インフレ率はここ数カ月、低下している」の文言追加
●バランスシート正常化の修正の可能性を示唆
FRB(米連邦準備制度理事会)は29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合で、市場の予想通り、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を2.25-2.50%に据え置くことを全員一致で決めた。
FRBは17年の3月と6月、12月に計3回利上げしたあと、18年も3月会合で15年12月以降6回目となる利上げを実施。その後、6月と9月、さらに12月の前回会合の計4回利上げした。その結果、政策金利は08年以来10年ぶりの高水準となった。
FRBは徐々にゆっくりとした利上げサイクルを継続しているが、FRBが前回会合時に発表した最新の経済予測(12月予測)では、19年の利上げ回数を前回9月予測時点の年3回から2回に引き下げている。
また、FRBは会合後に発表した声明文で、今後の利上げの見通しについて、「今後、どんな利上げが適切かという金融政策の決定に対し、FOMCは辛抱強く(patient)対応する」との文言を新たに付け加えた。これは利上げサイクルが終息に近づいていることを示すもの。市場では多くのFRB幹部が最近の講演で、「辛抱強く」の文言を多用していることから、この文言が声明文に付け加えられたことは予想通りと受け止めている。次回の利上げは少なくとも6月FOMCになるとみている。
景気とインフレの見通しについては、「FOMCは引き続き、米経済が持続的に拡大し、雇用市場が一段と強まり、インフレ率がシメントリック(上下が対称)な物価目標の2%上昇近辺に達する可能性が最も高いとみている」とし、米経済が堅調を維持するとの認識を示した。
その一方で、「インフレ率は全体指数もコアインフレ率も物価目標の2%上昇に接近したままだ。長期のインフレ期待もほとんど変化していない」とした上で、新たに「市場のインフレーション・コンペンセーション(期待インフレ率)はここ数カ月、低下している」との文言を追加し、インフレ懸念が後退していることを強調している。
これより先、FRBが1月9日に公表したFOMC議事録(18年12月18-19日開催分)でも、多くの委員が将来の利上げを一時休止するか、または、利上げペースを遅らせることが可能と判断していることが明らかになっている。
また、FRBは今回の会合でも住宅ローン金利を低下させ景気を刺激するため、バランスシートの正常化を修正する用意があることを示し、18年12月の前回FOMCから方針転換した。現在、量的金融緩和(QE)からの出口戦略として実施している月500億ドルの国債・MBS(不動産担保証券)買い入れ減額を継続とするとしたが、米株安などに振れれば資産縮小ペースの減速や一時停止も今後の選択肢になり得る。
この他、前回会合での利上げに伴い、FRBはFF金利がゼロ金利に低下しないようにするため、もう一つの政策金利として設定しているIOER(市中銀行がFRBに預け入れることが義務付けられている準備預金の所要準備を上回る預入額(超過準備預金)に付与される金利)を2.20%から2.40%に引き上げたが、今回の会合で据え置かれた。IOERはFF金利の下限金利となるもの。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、国際VX中先<1561.T>、iS米超大型<1587.T>、
iS米小型<1588.T>、iS米高配当<1589.T>、iS米リート<1590.T>、
提供:モーニングスター社
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