<新興国eye>ハンガリー中銀、政策金利を据え置き―追加利上げを否定
2019/5/7 9:18
ハンガリー中央銀行は4月30日の金融理事会で、すべての主要政策金利を据え置いた。市場の予想通りだった。
政策金利のうち、ベース金利である3カ月物固定預金金利は過去最低の0.90%、同金利の上下幅(コリドー)の下限を示す翌日物預金金利はマイナス0.05%、上限を示す翌日物有担保貸出金利も0.90%、7日物有担保貸出金利も0.90%とした。
中銀は16年3月に9カ月ぶりに利下げに踏み切り、同5月まで3会合連続で利下げを実施したが、同6月から据え置きに転じ、同2月まで33会合連続で政策金利を据え置いた。前回3月会合では、翌日物預金金利だけをマイナス0.15%から同0.05%へ0.10ポイント引き上げたが、それ以外の政策金利を現状通り据え置いていた。
金融政策決定会合後の声明文で、「3月のコアインフレ率(間接税率の変更の影響を除くため一定税率ベースでみたコアインフレ率)は前年比3.5%上昇と、2月の同3.2%上昇から伸びが加速し、物価目標(3%上昇)を超えている。インフレは大きな変動を示している」との認識を示した。
インフレ見通しのリスクについては、「内需がインフレの伸びを加速させる一方で、インフレに影響を与える外部要因は伸びを抑制する」とした上で、「今後数四半期、全体のインフレ率は物価目標の3%上昇近辺で推移する。一定税率ベースでみたコアインフレ率は秋ごろまで上昇し続けるが、その後は19年末から低下していく」と先行きに楽観的な見方を示した。
今後の金融政策については、「金融政策スタンスは引き続き金融緩和的だ」とした上で、「金融政策の決定にあたっては、われわれは四半期インフレ報告書で示される今後のマクロ経済やインフレの見通しを十分に考慮し、慎重に対応する」と追加利上げに否定的な考えを示した。中銀は前回3月会合で翌日物預金金利だけを引き上げた際、「これが利上げサイクルの開始ではなく、1回限りの決定だ」と述べており、金融緩和的スタンスを継続する考えを示している。
このほか、中銀は金融政策の効果を円滑に浸透させ、企業向け融資を支援するため、今回の会合でも、「19年7月1日から社債買い取りを総額3000億フォリント(約1149億円)の規模で開始する」との方針を据え置いた。
次回の金融政策決定会合は5月28日に開かれる予定。
<関連銘柄>
iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>
提供:モーニングスター社
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