株式新聞

2019年8月22日(木)

5月FOMC議事録、当分の間、中立スタンス維持の意向示す

経済

2019/5/23 15:43

<チェックポイント>

●「当分の間、将来の政策金利の調整に辛抱強くなることが適切」との判断示す

●多くの委員はインフレ圧力抑制でも利下げの必要性示さず

●少数の委員が低失業率によるインフレ加速の阻止で利上げ必要と主張

 FRB(米連邦準備制度理事会)は22日公表したFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(4月30-5月1日開催分)で、多くの委員が1月会合で初めて採用した「将来の政策金利に対する調整(利上げ、または利下げ)に辛抱強く(patient)なる」という年内利上げ一時休止と、将来の利下げも行わないという中立スタンスが「当分の間」続くと予想していることが分かった。

 この点に関し、議事録は、「たとえ、世界の経済・金融情勢が改善したとしても、特に、米経済の成長が緩やかでインフレ圧力も抑えられている状況では、将来のFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標に対する調整に辛抱強くなるという金融政策スタンスは当分の間続く可能性が高い」と述べている。

 現在、FF金利先物市場ではインフレ率が十分に抑制されていることから、年内に1回の利下げを織り込んでいる。しかし、市場では今回の議事録発表を受け、FRBはインフレ率が物価目標の2%上昇を上回っても、また、反対に下回ったとしても、それは一時的で長続きしないと考えているため、将来の政策金利に対する調整の決定にはかなり辛抱強くなるとみている。

 5月会合後の会見で、パウエル議長は、「現在の過度に低いインフレは一時的に終わる可能性がある」との見方を示し、弱いインフレは一過性との判断からトランプ大統領が要求している利下げの可能性を否定した。この議長発言に関し、議事録は、「最近のインフレ率の低下はアパレル(衣料品)や資産運用サービスなどの急激な価格下落を反映した一過性の要因によるもので、こうした一過性の要因を除いたPCE(個人消費支出)物価指数は物価目標の2%上昇か、それに近い水準で安定している」と議長の判断を支持している。その上で、「委員はインフレ率がシメントリック(上下が対称)な物価目標近辺に達する可能性が最も高いとみている」と結論づけている。

 一方、「複数の委員はもしインフレ率が今後数四半期、加速の兆候を示さなかった場合、インフレ期待が物価目標を下回る低い水準に落ち着くリスクがある」と指摘。「これはインフレ率が長期にわたって物価目標に達することがますます困難になることを意味する」とし、インフレ下ブレリスクは高まったとの見方を示した。しかし、それでもFOMC委員は利下げの必要性があるとは明確にしていない。

 議事録では「委員は金融政策が今後の経済見通しとその見通しに対するリスクを注視し判断することになる。当分の間、将来の政策金利の調整に対し辛抱強いスタンスを続けることが適切である可能性が高いと判断している」とFRBは中立スタンスを維持する考えを示している。

 景気の見通しについては、「委員は、経済活動は強い雇用市場で示されているように拡大が持続している」とし、また、「米経済や世界経済の見通しに影響を与える多くの先行き不透明要因(米中貿易協議やブレグジット(英EU離脱)など)は後退している」とし、景気の下ブレリスクは低下との見方を示している。その上で、「世界経済や金融市場の動向、抑制されているインフレ圧力に鑑みて、委員は政策金利の将来の調整に辛抱強くなれる」としている。

 少数の委員が「もし米経済が拡大し続ければ、FRBは低失業率(現在3.6%)がインフレを加速させないよう利上げが必要になる可能性がある」と利上げの必要性を指摘した。ただ、他の少数委員は、「インフレは賃金の伸びがそれほど高くないため抑制されており、これは低失業率にもかかわらず、経済の不活発による高水準のたるみ(生産設備や労働力などの余剰)があることを示している可能性がある」とし、利上げの必要性には否定的だった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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