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2019年8月22日(木)

英国、ジョンソン元外相の次期首相就任が有力もEU離脱交渉は難航必至

経済

2019/5/30 12:33

 英与党・保守党内や国内メディアで首相辞任要求がピークに達した5月24日、メイ首相は党首としての出処進退を決める1922年委員会との会談後、直ちに党首を辞任すると表明した。

 次期党首、そして、事実上の次期首相となる後継候補には、離脱急進派のジョンソン元外相やラーブ元離脱担当相、マクベイ元労働・年金相、ゴーブ環境相、レッドソム院内総務のほか、残留支持派のハント外相を含め10人超が立候補する予定で、党首選はEU(欧州連合)離脱かEU残留かの一騎打ちとなる見通しだ。この中で、ジョンソン氏が最有力とみられており、ゴーブ氏もすでに5月25日、決選投票になればジョンソン氏を推すと表明した。一方、メイ首相は次期党首が決まるまで首相を続ける。

 ジョンソン氏が有力とみられる背景には、5月23日に投票された欧州議会選挙の結果、UKIP(英国独立党)の元党首であるファラージ氏が率いるブレグジット(英EU離脱)党が結党わずか6週間で得票率33.3%、28議席を確保して第一党となったことがある。保守党の党首選は10月末にノーディール(合意せず)、もしくはディール(合意)で離脱するかどうかが争点となるが、欧州議会選挙でブレグジット党が躍進したことは、多くの有権者がノーディール・ブレグジット(合意なきEU離脱)を支持していることを意味し、そうした方向に進む可能性が一段と強まったといえる。

 ジョンソン氏が次期首相になれば、「二度と離脱日を延長せず、予定通り10月末にディールか、またはノーディールで離脱する」と言明した。

 また、ジョンソン氏は今後のEUとの離脱協議の見通しについて、「誰も最初からノーディールを目指す人はいない。また、ノーディールを選択肢から除外する無責任な人もいない。楽観的になるが、10月末までにEUといい条件で離脱合意することは可能だ」としている。ジョンソン氏が首相になれば、「ディールかノーディールで離脱する」と言っているが、ここでいうノーディールは「クリフエッジ」といわれる、10月末の離脱日に移行期間なしにEU単一市場から即離脱ということではなく、「管理されたノーディール」を意味する。

 もともと、ジョンソン氏はEU離脱を実現する唯一の方法は「管理されたノーディール」だと主張している。管理されたノーディールとは、英国が10月末にEUから離脱するものの、2021年末までの移行期間はEU離脱後もバックストップ条項(北アイルランドにEUルールを合致させることでハードボーダーを避ける安全策)の発動なしに、従来通りゼロ関税とし、その間に自由貿易協定を結ぶという案だ。ただ、これまで同案にはEUは否定的な見方を示しているため、曲折が予想される。

 一方、ソフトブレグジット(穏健離脱)を目指すというのがハント外相の主張だ。同氏はテレグラフ紙への5月27日付寄稿文で、「ノーディール・ブレグジット(合意なしのEU離脱)はノーブレグジット(EU離脱撤回)となるより好ましいが、政府はどんな場合でもEU離脱協議をノーディールで終わらせてはならないという修正動議を議会が3月に可決している。それでもノーディールにするため、総選挙を実施すれば、保守党にとって政治的な自殺行為となる」と述べ、メイ首相の元の離脱協定案を軸に、EUとディールを目指し再協議に入りたい考え。

 保守党の新党首が7月末までに決まっても政局の先行きは不透明感が漂う。テレグラフ紙のコメンテーターである保守党のヘイグ元党首は5月27日付コラムで、「次期党首は少数与党として議会で首班指名を受けることになるが、わずか3人差で支持が得られなければ総選挙となる。また、労働党が2回目の国民投票を行うことを要求し、新首相のブレグジットを阻止する可能性もある。さらにブレグジット党からの圧力で、新首相がノーブレグジットでも離脱すると安請け合いし、それがあとで反故にされ、議会や保守党内から信頼を失いメイ首相の二の舞いになりかねない」と指摘した。

 また、ヘイグ氏は、「10月末のEU離脱日は当初の3月29日の離脱日と同様、その通り離脱できるという保証は何もないので、(再延長されれば)EUとの再協議を通じ、EUとの将来の関係(自由貿易協定)の大枠を示す政治宣言案を修正し、本体の離脱協定案を議会で通過させる可能性はあるが、これは相当な交渉能力を必要とする。あるいは、何が何でもEUから離脱するという断固とした信念を持った首相であれば、ノーディールでの離脱はありうる」と分析する。

提供:モーニングスター社

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