<新興国eye>前週のブラジル株、世界景気減速懸念受け大幅反落=BRICs市況

新興国

2019/8/19 11:08

 前週(12-16日)のブラジル株式市場は16日のボベスパ指数が前日比0.76%高の9万9805.8と3日ぶりに反発したが、週間ベースでは9日終値比4.03%安の大幅反落となった。

 週明け12日の指数は3日続落して始まった。11日のアルゼンチン大統領予備選挙で現職のマウリシオ・マクリ大統領が野党候補に大差をつけられたことから通貨ペソが急落しデフォルト(債務不履行)懸念が広がり、外国人投資家がブラジルなどのリスク資産への投資を控える動きが活発化し、売り優勢となった。

 13日は反発。米政府が3000億ドル相当の中国輸入品に対する10%の追加関税導入を9月1日から12月15日まで延期することを決めると報道されたことが支援材料となった。

 14日は急反落し、15日も値を下げ、続落。中国7月鉱工業生産が前年比4.8%増と市場予想を下回り17年ぶりの低い伸びとなったことや、独4-6月期GDP(国内総生産)伸び率が前期比0.1%減とマイナス成長に転じたこと、さらには米債券市場でリセッション(景気後退)の前兆とされる逆イールド(長短金利の逆転現象)が10年超ぶりに発生したことから世界景気の減速懸念が広がり、リスク資産投資を抑えたため、売りが加速した。

 週末16日は3日ぶりに反発。金融株を中心に買い戻しが入ったが、戻りは限られた。

 今週(19-23日)の株式市場は、米中貿易戦争や世界景気減速、アルゼンチン通貨危機、年金改革法案、国営企業の民営化、経済改革の見通し、海外市場、特に米株市場、原油などの国際商品相場やレアル相場の動向、米国による対イラン追加制裁などの地政学リスクが焦点となる。主な経済指標の発表の予定は22日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)8月消費者信頼感指数と8月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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