<新興国eye>カンボジア計画省、人口センサスを発表―総人口は1529万人

新興国

2019/8/23 15:50

 8月7日、カンボジア計画省は2019年人口センサスの暫定結果を発表しました。総人口は、19年3月3日時点で1528万8489人に達しました。前回(2008年)調査時の1339万5682人から189万2807人の増加(14.1%増)となります。人口は順調に拡大しているものの、年間平均増加率は、前回調査時の1.5%から1.2%に鈍化しています。

 州別の人口は、第1位がプノンペン(212万9371人)、以下、カンダール州(119万5547人)、プレイベン州(105万7428人)、シェムリアップ州(100万6512人)、バッタンバン州(98万7400人)、タケオ州(89万9485人)、コンポンチャム州(89万5763人)などの順となっています。

 カンボジアの人口センサスは、これまで1962年、98年、2008年に行われ、今回の調査は4回目(内戦後で3回目)となります。調査は原則10年ごとに実施されることになっているため、当初は18年に調査を行う予定でしたが、総選挙と重なって混乱の懸念もあったため、調査時期を19年に延期していました。なお、今回の正式な調査結果は20年に公表される見込みです。

 人口センサスは、全ての統計の基本となるものであり、政策立案にも欠かせないものです。当初から日本政府はこの調査を全面的に支援してきましたが、今回の調査から、カンボジア政府が自己資金で実施する体制となっています。カンボジア政府が今後とも地道に実施し、その精度を高めていくことが期待されます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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