来週の東京外国為替市場見通し=FOMC控える、米中貿易問題めぐる動きにも引き続き注意

国内市況

為替

2019/9/13 17:26

 予想レンジ:1ドル=107円00銭-109円00銭

 9月9-12日のドル・円は上昇した。週初9日、ムニューシン米財務長官の米中貿易協議に対する前向きな見方が伝わり、ドル・円が買われた。10日、トランプ米大統領の「中国と来週にも協議する」との発言が報じられ、米中貿易協議の進展期待が高まり上昇が継続。11日、中国政府が対米追加関税の対象から16品目を除外すると発表し、過度な警戒感が後退し上昇した。12日は、トランプ米大統領が前日に対中関税の引き上げを10月1日から同月15日に先送りすると表明し、ドル買いに。ECB(欧州中央銀行)理事会が量的緩和再開とマイナス金利の深掘りを決定し、一時はユーロ売り・円買いの流れからドル・円も下押ししたが、その後持ち直した。

 ドル・円は週央に控えるFOMC(米連邦公開市場委員会)をにらんだ展開。市場の大部分で0.25ポイントの利下げ決定が織り込み済みで、相場は今後の米金融緩和ペースへの思惑に左右されることになる。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見や経済見通しの内容に注目が集まる。直近発表の米8月雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回ったものの、失業率は低水準を維持し、平均時給は市場予想を上回る伸びを示すなど、積極的な利下げを肯定するほど弱い内容ではなかった。目先は米8月小売売上高が材料視される。経済指標では、米9月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米8月鉱工業生産、米8月住宅着工件数、米4-6月期経常収支、米8月中古住宅販売件数などが発表される。

 この週は日銀金融政策決定会合も開催予定で、マイナス金利の深掘りなど追加金融緩和の是非を議論するとの観測が広がっている。ただ、世界的な金融緩和の流れの中でFRBやECBとの温度差や手詰まり感が意識されれば、円高に振れる可能性もある。その他、米中貿易摩擦をめぐる動向に引き続き注意。10月の閣僚級協議に向けた会合が開かれるとされるが、感触次第では歩み寄りの動きが一転して冷え込むシナリオもあり得る。

 ドル・円はチャート上で、直近高値1ドル=109.31円(8月1日)奪回が焦点。下方向では、108円を割り込めば心理的なフシ目の107円がメドとなる。

提供:モーニングスター社

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