アーバネット「商品力の高さで着実な成長継続」=服部信治社長に聞く

株式

2019/9/17 9:30

 アーバネットコーポレーション<3242.T>は主力の投資用ワンルームマンション販売が好調で、2019年6月期は高成長を達成した。ワンルームマンションの需要が根強い上、同社マンションの商品力の高さもあって、今期の好業績期待も大きい。同社の現状と今後について、服部信治社長に聞いた。

<投資用ワンルームの需要根強い>

 ――2019年6月期の連結業績は売上高200億8400万円(前期比24.9%増)、営業利益21億4800万円(同28.7%増)で、従来予想(売上高191億円、営業利益20億2000万円)を上回って着地しました。

 「相続税対策として、将来の資産運用の手段として、ワンルームマンションの需要は旺盛です。こうした中で、当社のワンルームマンションは東京23区内・駅から10分以内の物件に特化していることもあり、販売会社やファンドなどのニーズは非常に大きなものがあります。前期は販売会社への販売中心で堅く期初の計画を立てていましたが、ファンドや富裕層への販売も増えたことから利益率が向上し、計画の上ブレにつながりました」

 ――御社の強みを教えてください。

 「当社は投資用ワンルームマンションを主体とした会社として20年以上の実績があることから、仕入れルートが多く、土地情報の入手にも有利な面があります。また、設計事務所としてスタートした経緯から狭小地などのあらゆる土地を活用するノウハウがあり、大手不動産会社であれば開発の対象にならないような変形地を生かした開発も得意としています。土地情報を得たら、スピード感を持って開発計画を提示できることも強みといえるでしょう」

 ――現在の事業環境はいかがですか。

 「東京オリンピック・パラリンピック関連の開発の影響もあり、資材費・建設費などは上昇しましたが、最近では落ち着いてきています。オリンピック・パラリンピック後の不動産関連業界の事業環境がどうなるかは分かりませんが、相続税対策・資産運用の必要性は変わらず、ワンルームマンションの需要は根強くあるでしょう。今後も当社が長年にわたって培ってきた〈ものづくり〉のノウハウを生かし、よりよいワンルームマンション開発を行っていきます」

 ――今期の業績動向はいかがですか。株主還元についても教えてください。

 「今期の業績予想は連結売上高213億8000万円(前期比6.5%増)、営業利益23億8000万円(同10.8%増)で、既にほとんどの物件は売買契約を締結済みです。予想開示数値はほぼ確定しているといっていいでしょう。来期の売上計上物件の用地仕入れも順調に進んでおり、来期以降も着実な成長継続を目指します。一方、不公平感があるとの意見もあった株主優待制度を廃止し、株主還元の基本は配当であるとの初心に帰り、配当性向を従来の35%から40%に引き上げました」

 ――今後の取り組みを聞かせてください。

 「〈ものづくり〉に重点を置くデベロッパーとして、エンドユーザーが使いやすい、商品力の高いワンルームマンションの開発を今後も着実に実行していきます。さらに、ホテルや、遮音性の高いマンションなど独自性のあるターゲットを絞ったマンションの開発にも取り組み、将来的な事業拡大を目指していく方針です」

提供:モーニングスター社

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