原油価格急騰でエネルギー株高い、空・海運は値下がり、国際帝石9%上昇、石油資源も高値
2019/9/17 9:32
サウジアラビアの国益石油会社サウジアラムコの石油施設が無人機の攻撃を受け、原油相場が急騰した。17日の東京株式市場では、石油・資源などのエネルギー株に市況を思惑視した物色が向っている。
国際石油開発帝石<1605.T>は前週末比9.5%高、石油資源開発<1662.T>は7.9%高の新高値までそれぞれ値上がり。元売りもコスモエネルギーホールディングス<5021.T>が8.2%高、JXTG<5020.T>が5.8%高、出光興産<5019.T>が7.2%高まで買われた。
石油のプラントや生産設備の関連企業にも波及し、日揮<1963.T>は7.6%高、三井海洋開発<6269.T>は10.0%高となった。また、再生可能エネルギーへの関心が高まるとの見方を背景に、レノバ<9519.T>にも買いが先行している。
一方、原油高が逆風となる海運株は商船三井<9104.T>がまで下落。川崎汽船<9107.T>も安い。空運のJAL<9201.T>、ANAホールディングス<9202.T>はいずれも売りが優勢。製紙株やタイヤ株にも安いものが目立っている。
攻撃により1日当たりの石油生産量が従来の約半分の570万バレルに減少したサウジアラビアは、世界最大の産油国。16日のニューヨーク原油先物WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物の価格は、前週末比14.7%高の1バレル=62.90ドルに上昇。北海ブレント先物も大幅に値上がりした。
トランプ米大統領が事態を受け、同国の戦略石油備蓄の放出を承認したことで、原油相場の上値は抑えられている。一方、エモリキャピタルマネジメントの江守哲代表は、「こうした攻撃が今後もあるのかを見極めにくい。ないという確証があれば需給的な問題は小さいが、不透明感が強く原油価格は当面乱高下するのではないか」と話している。
提供:モーニングスター社
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