米8月住宅着工件数、前月比12.3%増の136.4万戸―市場予想大幅に上回る

経済

2019/9/19 10:24

<チェックポイント>

●着工件数、アパート急増と一戸建ての堅調で12年超ぶりの高水準

●主力の南部や北東部と中西部が増加―7月増加の西部は横ばい

●建築許可件数、前月比で2カ月連続の増加

 米商務省が18日発表した8月の住宅着工件数(季節調整値)は年率換算で前月比12.3%増の136万4000戸と7月の同1.5%減から4カ月ぶりに増加に転じ、リセッション(景気後退)前の07年6月(144万8000戸)以来12年2カ月ぶりの高水準となった。市場予想の125万5000戸も大幅に上回った。

 着工件数が急増したのは、月ごとに変動が激しいアパート(5世帯以上)が北東部を中心に同30.9%増の42万4000戸と7月の同9.5%減から3カ月ぶりに増加に転じ、18年3月(42万9000戸)以来約1年5カ月ぶりの高水準となったためだ。一方、主力の一戸建ても同4.4%増の91万9000戸と7月の同1.9%増に続いて3カ月連続で増加し、1月(96万6000戸)以来7カ月ぶりの高水準を維持した。

 着工件数全体はアパートの急増が大きく寄与したが、主力の一戸建てが増勢を維持したのは明るい材料だ。建築業者は住宅ローン金利の急速な鈍化や賃金の堅調な伸びで住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が持ち直し始めたことから、18年11月から手ごろな価格の一戸建ての着工に重点を移している。一戸建ての場合、中西部が前月比8.7%増と、急増し、主力の南部も同3.6%増、西部も同5.3%増だった。ただ、北東部だけが1.7%減となった。

 一方、着工件数の前年比は6.6%増と、前年水準を3カ月連続で上回った。これはアパート(5世帯以上)が同13.7%増と、急増し、一戸建ても同3.4%増と、3カ月連続で前年を上回ったためだ。

 また、過去2カ月の着工件数が計1万6000戸の上方改定(7月は2万4000戸の上方改定、6月は8000戸の下方改定)となった。

 先行指標である住宅建築許可件数も、アパート(5世帯以上)が前月比で大幅増となった一方で、一戸建ても前月比で高い伸びを示し、全体では前月比7.7%増の141万9000戸と、前月の同6.9%増に続いて2カ月連続で増加し、07年5月(149万3000戸)以来12年3カ月ぶりの高水準となった。また、市場予想の130万戸も大幅に上回った。前年比も12%増と、急増し、2カ月連続で前年水準を上回った。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ