米8月中古住宅販売、前月比1.3%増の年率549万戸―市場予想上回る

経済

2019/9/20 10:25

<チェックポイント>

●販売件数、年初来で最高水準に―住宅ローン金利低下がサポート

●販売価格(中央値)は27万8200ドル―前月比で2カ月連続低下

●未販売住宅(在庫)は4.1カ月分―6月の4.2カ月分下回る

 NAR(全米不動産業協会)が19日発表した8月中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比1.3%増の年率換算549万戸と7月の同2.5%増からさらに増加し、ピークだった2月の548万戸を超え年初来で最高水準となった。また、市場予想の536万戸も上回った。住宅ローン金利の一段の低下や堅調な所得の伸びに支えられ、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が改善したことが支援材料となっている。

 また、季節要因を無視できる前年比も2.6%増と、2カ月連続で前年水準を上回った。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「住宅購入希望者は最近の住宅ローン金利の低下を受け、住宅を購入したい願望に抗し切れなくなった。この好機をつかみたいという願望で住宅市場により多くの人が集まった」と指摘している。

 住宅供給の過不足感を示す8月時点の未販売住宅(在庫)は前月比2.1%減の186万戸と2カ月連続で減少し、同月の販売ペースに換算した在庫水準も4.1カ月分と、7月の4.2カ月分と1年前の4.3カ月分を下回った。適正水準とされる6カ月分をかなり下回っており、住宅供給不足の状況は変わらず住宅販売の足かせとなっている。前出・ヤン氏は、「販売は上向いたが、在庫は依然低水準のため、住宅価格が押し上げられる傾向がある。住宅建築が増えなければ、住宅価格が所得の伸びを上回って上昇する危険性がある」と指摘している。

 中古住宅の販売ペースをみると、販売物件が8月に市場に残っていた期間は31日間と、7月や1年前の29日間を上回り、販売ペースが鈍化した。また、8月に販売された物件のうち、市場に残っていた期間が1カ月以内だったのは全体の59%と、7月の51%から上昇した。

 8月の地域別販売件数をみると、全米4地区のうち、全体の4割以上を占め最もウエートが大きい南部が前月比0.9%増(前年比3.6%増)の233万戸、中西部も同3.1%増(同2.3%増)の131万戸、北東部も同7.6%増(同1.4%増)の71万戸といずれも増加したが、西部だけが同3.4%減(同1.8%増)の114万戸と減少している。

 一方、中古住宅価格は中央値で前月比0.8%低下の27万8200ドルと2カ月連続で低下したが、前年比は4.7%上昇と、実質賃金上昇率(0.8%)や名目賃金上昇率(3.2%)を上回る高い伸びで、90カ月連続で前年水準を上回っている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ