台風19号で水害対策急務に、国土を守る有力株は?
2019/10/15 8:22
前週末に日本列島を通過した大型の台風19号による大雨で、関東甲信越を中心に各地の河川が氾濫(はんらん)する被害が発生した。長野県の千曲川や、福島県の阿武隈川の一部で堤防が決壊したほか、都内を流れる多摩川などでも周辺の住宅地が冠水。また、土砂崩れも相次ぎ、岩手県の三陸鉄道では線路に大きな被害が出ている。水害対策の課題が改めて浮き彫りになった格好で、きょう15日の株式市場では護岸工事や地盤補強を中心とする国土強じん化の関連銘柄に物色の矛先が向かう可能性が高い。
<技研製、「インプラント工法」飛躍>
地盤強化や護岸工法の中核的銘柄の1つが技研製作所<6289.T>だ。同社は、独自の圧入技術で杭(くい)を地盤に押し込む「インプラント工法」のパイオニア。機械と工事を手掛け、これまでも震災や水害に絡んでマーケットで注目されてきた。株価は8月に10カ月ぶりに3000円を割るも、その際接近した月足チャートの36カ月移動平均線は強力な下値のサポート。復調の気配を見せている株価は一段と騰勢を増す情勢にある。
<河川の氾濫予測、構造計画の独自システム>
構造計画研究所<4748.T>は水位と雨量のデータからリアルタイムで河川の氾濫を予測するシステム「リバーキャスト」を開発。台風や豪雨時の避難判断をめぐって貢献する余地が大きい。内閣府の主導する防災・減災の強化プロジェクトにおいても、避難・緊急活動支援統合システムの開発に参画している。株価は、今6月期に前期比2割超の営業増益を見通す業績予想を打ち出したことで、8月に底値圏から急浮上。その後はもみ合いが続き相場は煮詰まってきた。
<技研HD、値動き軽い防災銘柄>
河川や港湾の補強、道路ののり面といった災害防除工事を手掛ける技研興業を擁する技研ホールディングス<1443.T>は、このテーマに乗るの有力株。時価総額わずか46億円と値動きの軽いサイズ感だ。景観を守る護岸ブロック、高強度の鋼材を地中に挿入して斜面を安定させる特殊工法、落石防護柵などを展開し、こうした局面で連想が向かう材料は豊富。株価200円台と低位の魅力も。
<上記以外の台風対策関連銘柄>
不動テトラ<1813.T>、大豊建設<1822.T>、青木あすなろ<1865.T>、東亜建設<1885.T>、若築建設<1888.T>、東洋建設<1890.T>、五洋建設<1893.T>、ライト工業<1926.T>、日特建設<1929.T>、川田TECH<3443.T>、ウェザーニューズ(WNIウェザ)<4825.T>、日本興業<5279.T>、イトーヨーギョー<5287.T>、ベルテクス<5290.T>、土木管理<6171.T>、鶴見製<6351.T>、コンドーテック<7438.T>、前田工繊<7821.T>、萩原工業<7856.T>、アジア航測<9233.T>、カナモト<9678.T>、西尾レント<9699.T>、大日本コン<9797.T>
提供:モーニングスター社
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