米ドル週間場況=英国EU離脱問題に関心集まる

経済

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2019/10/15 16:41

ドル高・円安 108.29円(+1.35円)

 7-11日のドル・円は上昇した。週初7日は、週央に控える米中の閣僚級貿易協議への思惑に振り回される展開。8日、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演で、短期金融市場の安定を念頭に資産買入れ再開を表明し、米株高からドル・円が上昇。ただ、米政府が新疆ウイグル自治区での弾圧を理由に中国高官のビザ発給を制限すると伝わると、伸び悩んだ。9日、米中貿易協議の暫定合意期待が相場を支えたが、その後はトルコ軍のシリア侵攻でリスク回避の円買いに。10日、米中貿易協議の進展期待が広がり、上昇。週末11日、中国の劉鶴副首相と会談したトランプ米大統領が第1段階の合意に達したと表明し、15日に予定していた対中追加関税の拡大を見送り、ドル・円は一段高となった。

 債券市場では、短期債利回り、長期債利回りともに上昇した。米中貿易協議に対する楽観的な見方が広がり、米国の対中関税引き上げが見送られたことで、安全資産としての米債券需要が減退した。2年債利回りは前週末の1.40%から1.59%に上昇、10年債利回りは前週末の1.53%から1.73%に上昇して越週した。

 14-18日のドル・円は、米中貿易協議で前進が見られたことでリスク選好の動きが続くか。ただ、目先は英国のEU(欧州連合)離脱の動きに関心が集まり、EU首脳会議を控え神経質な動きが広がる場面もありそうだ。その他、米10月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米9月小売売上高、米9月住宅着工件数、米9月建設許可件数、米9月鉱工業生産などの経済指標やベージュブック(米地区連銀経済報告)、複数のFRB高官の講演に注目したい。

提供:モーニングスター社

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