<飛躍期待の中小型株>ソリトン、政策に乗り業績V字回復
ソリトンシステムズ(3040.T)はセキュリティー対策ソフトを事業の柱とし、その技術力では高い評価を受けている会社だ。前12月期は特損を数回に分けて計上し大幅な減益となったが、今期はそういった特損もなくなり、サイバーセキュリティー市場が拡大基調にある中で、最終利益は2.7倍に急回復する見通しだ。
■豊富な材料性魅力
政府が主導するサイバーセキュリティーの指針に基づけば、市場は大企業から中小企業まで満遍なく拡大することが予想されるが、実は同社はサイバーセキュリティー以外にも材料性が豊富で来期以降の業績への思惑が働きやすい。働き方改革の流れに乗って大企業を中心にテレワークの導入が進んでいるが、同社はその中核の一社として恩恵を受けやすい。
■5G普及追い風に
同社はまた、IoT(モノのインターネット)で日本の最先端を走るコマツ(6301)と5G(次世代高速通信システム)対応の建設機械の遠隔操作で連携し、遠隔操作技術を研究部門から事業部門へ引き上げている。さらに、自動運転の分野では豊田通商(8015)に5G対応の映像伝送技術で協力し、そのほかにも秘密保持契約のため現段階ではIRできない複数の5G関連案件も抱えているという。このため、5Gの普及が同社のビジネス拡大や技術力の認知度向上に一役買う可能性が指摘されている。
■警察案件受注弾み
東京オリンピック・パラリンピックでは、警察庁から大手システムインテグレーターを通じて警備の公共案件を落札している。この警備機器を9月に納入することで、前期まで赤字だった映像コミュニケーション事業が今期になって黒字化する意味は大きい。警察庁から受注した警備機器は2億~3億円にすぎないが、警察庁に納入した実績の波及効果は来期に急拡大する見通しだ。既に各県警への機器の納入やレンタルが増加し始めているという。近い将来、同社の警備機器が日本の警察の警備全体に広がることも十分に期待できるだろう。
■大化け要素は十分
同社のIRによれば、政府主導のサイバーセキュリティー強化で需要が生じるのは今下期以降とみているとした上で、今上期の決算は黒字転換したので通期予想は十分に達成できるという。株価の指標面では割安感が薄れてきているものの、来期以降は飛躍の期間になりそうだ。今後数年は同社が得意とする顏認証、サイバーセキュリティー、スマートデバイスの引き合いが強まり、将来的には大化けするポテンシャルを秘めていると言えるだろう。
想定保有期間:1年~2年
買いのレンジ:900~1000円
目標株価:2000~3000円
損切り株価:800円
(イメージ写真提供:123RF)
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