来週の東京外国為替市場見通し=米10月雇用統計、ISM製造業景況指数などに注目
予想レンジ:1ドル=107円50銭-110円00銭
10月28日-11月1日のドル・円は上昇した。週初28日は、米中貿易交渉や英国のEU(欧州連合)離脱に対する過度な懸念が後退し、ドル買い・円売り優勢となった。29日、米10月消費者信頼感指数が市場予想を下回り、ドル・円は軟化。30日、FOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利上げが決まり、声明文で年内利下げ休止が示唆されたことからドル・円は一時急伸したが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見で利下げの可能性を排除しなかったことを受けドル売り・円買いに転じた。31日は中国10月製造業PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を下回ったほか、米中貿易摩擦激化への再燃懸念が浮上し、リスク回避の円買いが強まった。11月1日は米10月雇用統計の発表を控え、東京時間は小動きとなった。
目先は1日の米10月雇用統計、米10月ISM(米供給管理協会)製造業景況指数が焦点。10月雇用統計は米自動車大手のストライキの影響で非農業部門雇用者数の伸びは前月を下回るとの見方が根強い。一方、10月ISM製造業景況指数は、閣僚級米中貿易交渉が再開され、通商協議で一部合意に至った経緯があり、前月から改善するとの見方が出ている。足元は米中貿易交渉への懸念が強まっているが、トランプ米大統領も中国との首脳会談に意欲を示すなど明るい材料もある。同指数が好結果となればリスクオフムード後退となりそうだ。
週明けの米経済指標では、10月ISM非製造業景況指数、11月ミシガン大学消費者マインド指数・速報値などが発表予定。また、週末1日から週明けにかけては、クラリダFRB副議長、クォールズFRB副議長、ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁をはじめ、多数のFRB高官に発言機会がある。年内から年明けの金融政策の方向感を読むうえでも目が離せない。
ドル・円の下値メドは13週移動平均線と26週移動平均線のゴールデンクロス間近の水準となる1ドル=107円50銭、上方向は109円04銭近辺に200日移動平均線があり当面の上値抵抗水準となるが、そこを上抜ければフシ目の110円を目指す動きが加速しそうだ。
提供:モーニングスター社
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