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上期決算前半終了、下期期待の３銘柄

2019/11/5 17:30

　企業の決算発表シーズンも前半のヤマ場を越えた。懸念された業績悪化による株価への影響もこれまでのところ杞憂（きゆう）に終わり、日本株は快走を続けている。今３月期上期のここまでの開示を基に、下期の注目３銘柄を特選した。

平河ヒューテ――半導体関連出遅れ、自動車電装化も追い風

　平河ヒューテック（５８２１）は高速伝送ケーブルなどのエレクトリックワイヤーの専業メーカー。半導体関連株としては出遅れ感がまだ強く、上期決算をきっかけに戻り歩調が加速しつつある。

　上期の連結業績は、営業利益が前年同期比３％減の１３億円となった。直近の第２四半期（７～９月）では８億円と同２８％の拡大に転じ、業績に底打ちムードが出ている。これまでのところ、収益が上向いたのは北米の太陽光発電システム用ケーブルの伸びや、車載用途の調整一服が背景にある。

　一方、今後の焦点は半導体製造装置向けケーブルだ。ロジックを中心に半導体市況に回復期待が強まり、関連銘柄の株価を押し上げている。その恩恵は同社にも及びつつあり、依然として年初来高値（２月１８日の１７１９円）を約３６％下回る水準は追撃買いのチャンスが残る。自動車の電装化の流れや、医療用特殊ケーブルの有望性も改めて織り込まれるだろう。

カッパクリエ――収益体質の改善評価、下値切り上げ歩調維持

　回転すし「かっぱ寿司」のカッパ・クリエイト（７４２１）は決算をきっかけに見直し機運が高まっている。

　上期の連結業績は長梅雨や台風の影響で売上高が前年同期比１％減の３９０億円と伸び悩んだ一方、営業利益は１３億円へと２倍強に拡大した。ウナギなどの戦略商品が人気を集めたほか、サイドメニューのラーメンの健闘、廃棄ロスの削減によって収益性を高めることに成功した。

　人件費の拡大や原価高といった事業条件を打破するべく取り組んだ利益率の改善策を背景に、収益体質の強化が着実に進む同社。通期の営業利益の予想は従来の１４億円から１６億円（前期比２．６倍）に増額。なおも上期の進ちょく率は７８．８％と高水準だ。

　株価は昨年末の安値１２６４円を底に下値を切り上げる動きをキープ。夏場のもみ合いで蓄積されたエネルギーが放出し始めた。

ＮＣＳ＆Ａ――「２５年の崖」対策に商機、押し目買い好機到来

　システム開発のＮＣＳ＆Ａ（９７０９・（２））は、上期の連結営業利益が前年同期比８８％の大幅成長を達成した。ＩＴインフラの老朽化や、保守担当の技術者の退職時期が集中する「２０２５年の崖（がけ）」問題に絡んだ需要も膨らみつつあり、息の長い業績拡大が期待される。

　ＩＴを旧来のビジネスのサポートとしてではなく、あらゆる面での基本に据えるＤＸ（デジタルトランスフォーメーション）に対する企業の投資が本格化している。同社の事業機会が広がる中、「ウィンドウズ７」のサポート終了に伴う更新特需なども獲得した。

　中・長期的には、人手不足への対応ニーズを取り込んでいく。ＮＣＳ＆Ａはシステムを可視化することで、従来は洗い出すのに手間のかかった問題点の把握を機械的に行い、修正する技術を独自に開発した。インフラ老朽化と技術者の大量引退が重なる「崖」から企業を守る。

　株価は中・長期での上昇トレンドを維持している。１７年７月の高値６２０円を目指す動きが期待される。株価は下値を５２週移動平均線が支える三角もちあいを形成。直近の押し目は買い好機になりそうだ。

（市場動向取材班）

（イメージ画像提供：１２３ＲＦ）

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