工作機械受注底割れ、10月前年比37%減――関連株の動きに警戒もツガミは堅調維持

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2019/11/13 8:02

 日本工作機械工業会(日工会)が12日に発表した10月の工作機械受注(速報値)は、前年同月比37.4%減の875億円となった。前月比でも11.6%落ち込み、6年半ぶりの低水準にとどまった。景況判断の1000億円をこれで3カ月連続で下回り、底が見えない状況だ。回復を先取りして堅調に推移してきた関連銘柄の動きに、変化が生じるかが注目される。

 10月は内需が334億円(前年同月比42.0%減、前月比27.4%減)と特に厳しかった。米中貿易摩擦を背景に設備投資を控える動きがユーザーに広がっている。直近まであった補助金効果の反動も出たもよう。外需は540億円(前年同月比34.1%減)となり、前月比で2.1%増とわずかながらも上向いた。

 個別メーカーでは、オークマ(6103)が前年同月比47.6%減の83億円、牧野フ(6135)が同44.5%減の52億円、東芝機(6104)が同22.1%減の13億円にそれぞれ低迷した。開示していないファナック(6954)なども含めて各社の株価は足元で反発基調を強めていたが、工作機械向けに電源を供給するある電子部品メーカーの首脳は「需要の回復感はない」と話している。

 1~10月の工作機械受注は1兆581億円(前年同期比31.7%減)となった。日工会では9月に、年間見通しを従来の1兆6000億円から1兆2500億円に下方修正している。日工会の飯村幸生会長(東芝機・会長)は「(受注額885億円だった)8月が単月の受注の底」という認識を示していたが、今回底割れした格好だ。ただ、半導体関連や5G(次世代高速通信システム)絡みの案件に引き合いがあるもようで、中期的には盛り返す望みも残る。

 ひとまずは関連銘柄へのネガティブな株価反応に備える必要がある。一方、10月は全体的に悪化する中で中国を主戦場とするツガミ(6101)の受注が前年同月比7.6%減の43億円と小幅なマイナスに収まり、前月比では6%拡大した。一緒くたに下げ圧力が掛かった場合、同銘柄に関しては押し目買いの好機となる可能性がある。

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