米10月コアCPI、前月比0.2%上昇―9月から伸び加速し、市場予想と一致
2019/11/14 10:58
<チェックポイント>
●中古自動車や薬品・医療機器が急伸長
●全体指数、前月比0.4%上昇―9月は横ばい
●インフレ依然抑制で追加利下げ余地残るも、年内は利下げ休止見通し
米労働省が13日発表した10月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.2%上昇と9月の同0.1%上昇から伸びが加速。市場予想とも一致した。ただ、6-8月の各0.3%上昇を下回り、伸びは依然緩やかとなっている。前年比は2.3%上昇となり、前月の同2.4%上昇から伸びは鈍化したものの、7カ月連続でFRBの物価目標(2%上昇)を超えた。
コア指数の前月比の内訳をみると、中古車(乗用車とトラック)が1.3%上昇(9月は1.6%低下)となったほか、薬品や医療機器など医療関連用品も1.3%上昇(同0.6%低下)と、いずれも大幅上昇に転じた。メディカルケアも1.0%上昇(同0.2%上昇)と、16年8月以来3年2カ月ぶりの高い伸びとなった。一方、アパレルは1.8%低下(同0.4%低下)と、6月以来4か月ぶりの大幅低下となっている。
また、CPIの構成ウエートが高い賃貸住宅の家賃やホテル宿泊料などの「シェルター」価格(家賃・宿泊費)は0.1%上昇(同0.3%上昇)、運輸サービスも0.1%上昇(同0.3%上昇)と、いずれも前月より伸びが鈍化した。
CPI全体指数(季節調整後)は原油価格、主としてガソリン価格が大幅上昇に転じたことを受け、前月比0.4%上昇と9月の同横ばいから伸びが加速し、3月以来7カ月ぶりの高い伸びとなった。また、市場予想の0.3%上昇も上回った。一方、前年比は1.8%上昇と9月の1.7%上昇から加速し、市場予想の1.7%上昇も上回った。
CPI統計発表直後のニューヨーク債券市場では、長期金利の指標である10年国債の利回りはやや低下し、次回12月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ圧力がやや強まった。ただ、前月比で伸びは加速したものの、前年比は前月から伸びが鈍化したことや、FRBが最も重視しているコアPCE(個人消費支出)物価指数は9月が前年比1.7%上昇と、依然、物価目標を下回りインフレが落ち着いていることから、市場では次回12月10-11日FOMCでの利下げ休止観測は変わらないとみている。
一方、パウエルFRB議長は13日、下院の公聴会で、インフレ見通しについて、「インフレ率は物価目標(2%上昇)に収束する可能性が高い」と特段の懸念は示さず、利下げの一時休止方針を据え置いた。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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