米10月住宅着工件数、前月比3.8%増の131.4万戸―市場予想上回る

経済

2019/11/20 10:50

<チェックポイント>

●着工件数、西部と中西部が急増―北東部が大幅減

●許可件数、一戸建てとアパートが増加し12年5カ月ぶり高水準に

●一戸建て完成件数、前月比で増加に転じ住宅供給不足懸念が後退

 米商務省が19日発表した10月の住宅着工件数(季節調整値)は年率換算で前月比3.8%増の131万4000戸と9月の同7.9%減(改定前は9.4%減)から増加に転じ、12年超ぶりの高水準となった8月(137万5000戸)に近い水準に戻った。前月の低い伸びを受けた反動増とみられる。また、市場予想の130万戸も上回った。

 着工件数が増加したのは、月ごとに変動が激しいアパート(5世帯以上)が前月比6.8%増の36万2000戸と9月の同24.8%減の33万9000戸から急増に転じたほか、主力の一戸建てが同2.0%増の93万6000戸と9月の同1.0%増に続いて5カ月連続で増加したからだ。

 住宅ローン金利の伸びが低水準で、約50年ぶりの低失業率や賃金の堅調な伸びに支えられ、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が改善していることから、建築業者は18年11月から手ごろな価格の一戸建ての着工に重点を移している。今回の10月統計でも一戸建ては、全体の約6割を占める主力の南部が前月比3.2%増と、全体の伸びを上回り、全体の25%を占める西部も同9.3%増と高い伸びとなった。中西部も同0.8%増となったが、北東部だけが同32.8%減と急減した。

 一方、着工件数の前年比は8.5%増と、前年水準を5カ月連続で上回った。アパート(5世帯以上)が同10.7%増と、急増し、一戸建ては同8.2%増と、5カ月連続で前年を上回っている。

 また、過去2カ月の着工件数は計1000戸の下方改定(9月は1万戸の上方改定、8月は1万1000戸の下方改定)となった。

 先行指標である住宅建築許可件数も、アパート(5世帯以上)と一戸建てが前月比でともに増加したため、全体では前月比5.0%増の146万1000戸と、前月の同2.4%減から急増。市場予想の136万5000戸に対しても大幅に上回った。前年比も14.1%増と、高い伸びを示し、4カ月連続で前年水準を上回っている。

 一戸建ての完成住宅件数は前月比4.5%増の89万7000戸と増加に転じ、7月の90万4000戸以来3カ月ぶりの高水準に戻り、住宅供給不足懸念が後退した。全体の完成件数は、アパート(5世帯以上)が同27.3%増と、大幅増に転じたため、前月比10.3%増の125万6000戸と、増加に転じ、4月の133万戸以来6カ月ぶりの高水準に戻った。

 一戸建ての建築中件数は前月比0.6%増の52万7000戸、アパート(5世帯以上)は同0.3%減の62万3000戸となったことから、全体では同0.1%増の116万1000戸と、3カ月連続で増加した。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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