日経平均は115円安と続落、米中関係不透明で利益確定売り、香港株安なども重し=29日後場

 29日後場の日経平均株価は前日比115円23銭安の2万3293円91銭と続落。朝方は、買いが先行した。28日の米国市場は感謝祭の祝日で休場ながら、為替相場の落ち着きが支えとなり、寄り付き直後に2万3498円77銭(前日比89円63銭高)まで上昇した。一巡後は、米国での香港人権法の成立を契機とした米中関係の先行き不透明感もあって利益確定売りに傾き、いったん下げに転じた。上値は重く、次第安の動きとなり、後場終盤には2万3273円37銭(同135円77銭安)まで下押した。香港ハンセン指数や中国・上海総合指数が下げ基調となり、時間外取引の米株価指数先物も安く、重しとなった。その後の戻りは鈍く、大引けにかけて安値圏で推移した。

 東証1部の出来高は9億9450万株、売買代金は1兆7571億円。騰落銘柄数は値上がり856銘柄、値下がり1184銘柄、変わらず117銘柄。

 市場からは「米中協議への警戒感はあるが、高値圏での調整としては健全な動きだ。ただ、日経平均は26日に上ヒゲ陰線を引いた後、陰線が続いており、上値の重さが意識される」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、太平洋セメ<5233.T>、AGC<5201.T>などのガラス土石株が軟調。トヨタ<7203.T>、いすゞ<7202.T>、SUBARU<7270.T>などの輸送用機器株も売られた。LIXILG<5938.T>、三和HD<5929.T>などの金属製品株や、日本製鉄<5401.T>、JFE<5411.T>などの鉄鋼株も安い。オリンパス<7733.T>、シチズン時計<7762.T>などの精密株や、積水ハウス<1928.T>、大和ハウス<1925.T>などの建設株も値を下げた。

 半面、鉱業株で国際帝石<1605.T>が堅調。野村<8604.T>、大和証G<8601.T>などの証券商品先物株も買われた。王子HD<3861.T>、大王紙<3880.T>などのパルプ紙株も引き締まった。

 個別では、トーセ<4728.T>、やまみ<2820.T>、オリバー<7959.T>、UMCエレ<6615.T>、串カツ田中<3547.T>、しまむら<8227.T>などの下げが目立った。半面、阿波製紙<3896.T>がストップ高となり、日電波<6779.T>、大真空<6962.T>、TATERU<1435.T>、MSコンサル<6555.T>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、30業種が下落した。

(イメージ写真提供:123RF)

提供:モーニングスター社

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