米ドル週間場況=米中貿易問題や雇用統計にらんだ展開

経済

為替

2019/12/2 16:37

ドル高・円安 109.49円(+0.83円)

 11月25-29日のドル・円は上昇した。週初11月25日は、米国が中国に求めていた知的財産権の保護強化を中国政府が決定したことから、リスクオンのドル買いが優勢。26日、トランプ米大統領が米中貿易協議について合意が近いとの認識を示し、ドル・円を支援した。27日、米7-9月期GDP(国内総生産)改定値が速報値から上方修正され、ドル買いが継続。28日は、トランプ大統領が香港人権法案に署名し、中国側の報復が懸念されたことでドル・円の上値を抑えた。ただ、同日は米市場が感謝祭で休場だったこともあり、その後は動意が乏しい展開に。週末29日は、米株安が重しとなったものの、感謝祭の翌日で市場参加者が限られ、もみ合いとなった。

 債券市場では、短期債利回りは低下した一方、長期債利回りは上昇した。米景気不安から週前半に米債券が買われた。週央には強い米7-9月期GDP改定値を受け米債券が売られる場面もあった。28日の米債券市場は感謝祭で休場。ドル建て2年債利回りは前週末の1.63%から1.61%に低下、ドル建て10年債利回りは前週末の1.77%から1.78%に上昇して越週した。

 2-6日のドル・円は、引き続き米中貿易問題をにらんだ展開。米中貿易協議「第1段階」の合意署名をめぐる動向に加え、トランプ米大統領が香港人権法案に署名したことに対する中国側の報復があるか注意したい。経済指標では週末に米11月雇用統計の発表が控える。その他、米11月ISM(米供給管理協会)製造業景況指数、米11月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計、米11月ISM非製造業景況指数、米10月貿易収支、米10月製造業受注などが発表予定。

提供:モーニングスター社

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