来週の東京外国為替市場見通し=投資家マインド改善でリスクオンか、クリスマス前の手じまいには注意
予想レンジ:1ドル=107円75銭-111円00銭
9-13日のドル・円は上昇した。週明け9日は動意薄の展開。手掛かり材料が乏しい中、週内のFOMC(米連邦公開市場委員会)、ECB(欧州中央銀行)理事会、英総選挙に加え、15日発動予定の対中報復関税「第4弾」を前に様子見ムードが広がった。10日、米中交渉団が15日の関税発動を延期する方向で検討しているとの報道で投資家心理がやや改善し、ドル買いが優勢となったが、クドローNEC(米国家経済会議)委員長が「最終決定には至っていない」としたため、ドル・円の上値は限られた。11日、FOMCでは市場予想通り政策金利が据え置かれたが、20年も現在の低水準が維持されるとの見通しを受けてドル売りが加速。12日は、米中貿易協議の第1段階で原則合意したとの報道を受け、リスクオンの動きが強まった。
16-20日の週は米中で重要経済指標の発表が多い。16日は中国で11月工業生産や小売売上高などが集中し、米国では17日に11月住宅着工件数や鉱工業生産、19日に11月中古住宅販売や7-9月期経常収支、20日に11月個人所得・個人消費支出や12月ミシガン大学消費者信頼感指数と、住宅や個人消費に関連した指標が相次ぐ。FOMC、ECB(欧州中央銀行)理事会、英総選挙と、重要イベントを通過し、米中貿易協議も合意となれば、投資家マインドの改善からリスクオンの動きが強まりやすい。FRB(米連邦準備制度理事会)は当面、低水準の政策金利を維持する見通しで、強い経済指標には素直な反応がみられそうだ。一方、翌週にはクリスマスを控え、手じまいの動きが強まる可能性も高い点は注意が必要。香港やウイグルをめぐっては米中の対立が続いているため、こちらにも関心は払っておきたい。
ドル・円の上値メドは心理的フシ目の111円ちょうど近辺、下値めどは26週移動平均線が通る107円77銭近辺。
提供:モーニングスター社
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